なにから書けば良いかわからない。。正直あまりレースを覚えていません。

とにかく、良くない状態で乗鞍に来てしまった。
7月に幾らでもかかったワットは8月に止まった。
どっちにしてもワットなんか見なくても自分の調子は自分が一番良く分かる。
枝折峠に勝って本当に切れた。
村山さんにサシで勝つのはクライマーの夢だ。嬉しかった。。
集中力を無くしてボーっと練習して下りで落車した。なるべくしてなったと思う。
でも怪我して本当に良かったと思う。ギリギリのところで集中力をまたつなぎとめた。

もう負けて元々と思って、肩の力を完全に抜けてスタートした。
家族で二人三脚やってきた。やるだけやったんだから、良いじゃないかと思った。

レースは初っ端からやはり厳しいものだった。
ガンガン人数が絞られている中の最後尾をずっとフラフラ走り続けた。
藤田さんが「どうした？」と声をかけてくる。どうもこうもなく、返事ができなかった。。

5km過ぎくらいでチェーンを外した。何度も痛い目にあってるのに、やめられない。。
既に10人くらいになっていた小集団はあっという間に見えなくなる。
いつもならパニくるが、妙に落ち着いていた。
淡々と直して淡々と追いかけた。すぐ追いついた。

畑中くんがアダムさん、牛丸さんと積極的に前を走る。
昨晩あれだけ言ったのに、、でもこれが彼だ。何も言うことはないと思う。
畑中くんが前にいる時は後ろにいる後ろめたさが柔らいだ。ありがとう。

中間点過ぎると人数は6人。相変わらず自分が一杯なのは変わらない。
でも急勾配などで段々と前方にもいけるようになる。
いつも思う。これはいったい何だろう？
スタートに立ったとき、皆の力は10に対して自分は8だと思う。
でも30分、40分と時計が進むと、周りは8になっている。自分は8のまま。
やっと勝負が出来るようになる。そんな感じか。。

第2給水を過ぎて藤田さんが様子見のペースアップ。それに続いてみた。
と思ったら、自分は飛び出してた。
そして後ろからゴローさんの声が聞こえた「行け！！」富士と同じ声だ。
考えは何も無かった。なんで飛び出したかわからない。
まだ4km以上ある。まともに考えてたら行く距離じゃない。
ふと我に返って、後ろを見ようとした時に今度は「後ろを見るな！」と聞こえた。

とにかくギアをかけて思い切り踏んだ。それだけ。。
2kmを切ったところで初めて後ろ、というより下を見た。
追走は豆粒のように小さくなっていた。
タレにタレにタレながら、ゴールした。最後の瞬間はあっけないものだった。

次にゴールしてきたゴローさんが抱きしめてくれた。
メチャメチャ喜んでいた。自分より喜んでいた笑
自分も嬉しくて泣きたかったが右肩をバンバン叩くゴローさん。激痛で泣いた。。

レースについて話していたことは何も無かった。ここ2ヶ月も電話で一度話しただけ。
ゴローさんは勝ちにくると思ったし、自分もゴローさんに勝つ一心だけで練習した。
それで良いと思った。
去年、乗鞍も富士も惨敗してボロボロの時に、「お前なら勝てる。勝て。」と言ってくれた。
なんでこんな自分なんかに？と思った。その言葉だけで十分だった。
でもあの土壇場で大きなプレゼントをくれた。
終わった後に、「良いんですか？」と聞いた。
「俺はスプリント狙いだし、どっちにしろあんな所から行く勇気無いよ。」と言う。
「強かった。胸を張れ。」と言ってくれた。

一度も前に出ることなく、最強のクライマーに助けてもらって勝った乗鞍。
史上最弱の乗鞍チャンピオンです。

悔しいと思うならもっと強くなれば良いと思う。だからまた走る。。かな！？。。。。

アハハ！