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地検、担当医師を再び「不起訴」軽井沢病院の女性死亡

9月30日(火)

 北佐久郡軽井沢町立軽井沢病院で2003年10月、鈴木良恵さん=当時(32)=が出産後の大量出血で死亡した医療事故で、業務上過失致死容疑で告訴され嫌疑不十分で不起訴となり、佐久検察審査会に不起訴不当と議決された同病院の担当医師(74)について、長野地検は29日、再び嫌疑不十分で不起訴とした。

 同審査会は「出血原因の究明がされていない」「(検察官による)担当医師の供述録取がされていない」として不起訴不当を議決していた。

 これを受けて、長野地検は、病院関係者への聴取や証拠資料をあらためて精査。「不十分な縫合や誤診による不適切な処置を示す証拠はなかった。出血原因となった病変がいつ、どのような原因で発生したかも特定できず、死亡は予見できなかった」(高森高徳次席検事)とした。業務上過失致死罪は、10月5日午前零時で公訴時効(5年)が成立する。

 同審査会に担当医師の審査を申し立てた良恵さんの母の美津子さんはこの日、担当検事から説明を受け、「あきらめるしかないが、不起訴となっても私は絶対に医師として認めない」と訴えた。美津子さんの代理人の高橋伸二弁護士(群馬県高崎市)は「検察審査会が不起訴不当と議決したことで、やっと遺族が事件の詳細の説明を受ける機会を得た。議決の意義は大きい」と話した。

 軽井沢町の佐藤雅義町長は「患者からの信頼を得ていた医師が誠意を持って対応した結果、起きてしまった事故だった。良恵さんのご冥福を心よりお祈りします」と述べた。

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