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インド原発に仏も触手 米に対抗、商機狙う(1/2ページ)

2008年9月30日1時48分

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写真仏マルセイユで29日、EUインド・サミットでインドのシン首相(左)を迎えるサルコジ仏大統領=ロイター

 【マルセイユ=国末憲人】インドのシン首相が29日、欧州連合(EU)議長国フランスを訪問し、サルコジ大統領と会談した。両首脳は30日にも会談し、仏印間の原子力協力協定締結を目指す。同様の協定の発効を控える米国に遅れまいとする仏が攻勢に出た形。核不拡散条約(NPT)弱体化への懸念が広がる中、対インド原子力ビジネスが大手を振り始めた。

 両首脳は29日、マルセイユでEUインド・サミットに臨んだ。会談後の会見で、サルコジ大統領はインドの原子力開発支援の必要性を強調。「世界一の人口を将来持つであろう国が原子力なくして温暖化とどう戦えるか。原子力開発に取り組もうとするインドを称賛する」と述べた。同席したバローゾ欧州委員長も、インドの原子力施設の安全性確保などのために欧州原子力共同体(EURATOM)との協力を進める方針を示した。

 EUとインドは双方が貿易や投資の拡大を望むものの、NPT未加盟のインドの核開発への懸念が障害となっていた。しかし、原子力供給国グループ(NSG)臨時総会が6日、米仏などの強い働きかけでインドへの原子力関連技術の輸出解禁を承認。仏大統領府高官は「これまで核問題がネックとなって停滞してきたが、ようやく打開した」と述べ、今回の合意による関係強化に期待を表明した。

 両首脳は30日、パリに場所を移して原子力協力を中心に仏印の二国間問題を協議。早ければこの日にも原子力協力協定に調印するが、細部の詰めが残り、調印まで日数を要する可能性もあるという。

 米国も米印原子力協力協定を締結し、議会の承認を待つ状態。仏は「米印協定の発効の是非にかかわらず交渉を進める」との立場で、米国が議会の説得に手間取る間に、対印原発ビジネスで優位に立ちたい意図がうかがえる。仏高官は「NSGが原子力ビジネスを解禁した。米もロシアも、きっと日本も、インド市場にやってくる」と、ライバル心をあらわにする。

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