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太田農相:辞任 次官に続き汚染米転売の責任取り(1/2ページ)

記者会見で辞任を表明する太田誠一農相=東京・霞が関の農水省で2008年9月19日午前11時15分、丸山博撮影
記者会見で辞任を表明する太田誠一農相=東京・霞が関の農水省で2008年9月19日午前11時15分、丸山博撮影

 太田誠一農相は19日午前、汚染米の不正転売問題に関する農林水産省の検査体制の不備や自らの発言の責任を取って辞任する意向を固め、福田康夫首相に伝えた。事実上の更迭人事とみられ、首相は辞任を了承した。白須敏朗農水事務次官の退任も同日の閣議で了解されており、閣僚と事務方トップの二人がそろって辞任する異例の事態となった。

 太田氏は首相に辞意を伝えた後の記者会見で「本日、農水省で取り組む当面の再発防止策を決定した。一つの節目だと思う」と説明。「解決は今の内閣ではできない。この際、農水省全体としての結果責任を明確にした方がいいと思い、辞意を固めるに至った」と語った。

 農相は町村信孝官房長官が兼任する。

 業者に対する農政事務所の立ち入り調査が不徹底で不正転売が見抜けなかったことを受け、農水省の対応への批判が高まった中、太田氏は12日、衛星放送「BS11デジタル」の番組で「人体への影響はないと自信を持って言える。だから、あまりじたばた騒いでいない」と発言していた。 太田氏は自ら辞することで、国民の間に広がった農水行政に対する不信感を払しょくしたい考えだ。一方で、自民党総裁選を受けて24日には新首相が誕生する予定。福田内閣が残り5日になったタイミングでの辞任には、新政権発足前に不祥事を片づける思惑も働いているとみられるが、政府・与党に深い痛手ともなりそうだ。

 太田氏は8月1日の内閣改造で農相に就任。同月10日に中国製冷凍ギョーザによる中毒事件などを受けた食の安全対策をめぐり、「消費者がやかましいから徹底する」と発言して批判を浴びた。

 さらに、同月下旬には政治団体「太田誠一代議士を育てる会」が東京都目黒区の農相秘書官宅を事務所として届け出て、多額の経費を計上していた問題が毎日新聞の調べで発覚。政府・与党内に早期辞任を求める声が上がっていたが、首相が今月1日に退陣を表明したことで、かき消される形になった。

 太田氏は衆院福岡3区選出、当選8回で、自民党古賀派。【白戸圭一】

 ◇相次ぐ交代

 昨年以降、農相の交代が相次いできた。昨年5月、資金管理団体の不透明な光熱水費問題の渦中にあった松岡利勝農相が自殺。同年8月には事務所を実家に置いた政治団体の不正経理疑惑で赤城徳彦農相が辞任し、翌9月には遠藤武彦農相が農業共済組合の補助金不正受給問題で辞任している。

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毎日新聞 2008年9月19日 11時30分(最終更新 9月19日 13時10分)

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