【モスクワ大前仁】ロシアを公式訪問している韓国の李明博(イミョンバク)大統領とロシアのメドベージェフ大統領は29日、モスクワのクレムリンで会談し、ロシア極東地域から北朝鮮を経由して韓国へ通じる天然ガス・パイプラインの建設で基本合意した。採算性を見極め、2年後の正式合意を目指す。関連事業を含め1000億ドルを超える大型プロジェクトだが、通過国となる北朝鮮から同意を得ていないとみられており、計画の実現性は不透明だ。
韓国の国営ガス会社「韓国ガス公社」とロシア政府系天然ガス企業「ガスプロム」が首脳会談後に了解覚書を締結。覚書は、ガスプロムが極東までパイプラインを建設し15年以降に年750万トンの天然ガスを韓国へ輸出する▽両社が極東に石油化学団地、天然ガス液化工場を建設し共同運営を目指す--という内容。メドベージェフ大統領は会談前「経済の相互関係を更に高い水準へ移行させたい」と意欲を示した。
朝鮮半島情勢をめぐっては、メドベージェフ大統領が共同記者会見で「(朝鮮)半島の非核化、6カ国協議の進展を支持する」と発言した。
毎日新聞 2008年9月29日 20時25分(最終更新 9月29日 22時00分)