政治

民主党臨時党大会で、再選され気勢を上げる小沢一郎代表＝東京都江東区で２００８年９月２１日午後４時３２分、北村隆夫撮影

　民主党は２１日、東京都内のホテルで臨時党大会を開き、小沢一郎代表（６６）の無投票３選を正式承認した。小沢氏は会見で、次期衆院選に勝利し政権交代したら優先的に実行する重点政策として、▽高速道路の無料化▽農業者の戸別所得補償制度▽子ども手当の創設－－の三つを挙げた。他の重要政策と合わせ、財源は国の純支出の約１割に当たる２２兆円とし、（１）新政権初の予算編成である０９年度予算に盛り込む（２）次期通常国会で関連法案を成立させて２年以内に実行（３）次の次の衆院選がある４年後までに段階的に実行－－の３段階に分けて実現することを宣言した。

　小沢氏の任期は１０年９月末までの２年間。これらの公約は、月内に発表する次期衆院選マニフェストに明記し、自公連立政権と対決する際の目玉とする。

　小沢氏は今月８日に「新しい政権の基本政策案」を発表。▽年金、医療、介護▽子育て・教育▽「働く貧困層」の解消など雇用▽農業者の戸別所得補償制度創設など地域活性化▽高速道路無料化など国民の生活コスト削減－－の５本柱について格差是正の仕組みを作ると約束。そのための財源策として、▽特別会計廃止や役人の天下り禁止▽国の補助金全廃など地方分権実現－－の２点を挙げた。

　基本政策は、その他に▽国会も政府も国民の代表である国会議員が担う▽地球環境保全と国際社会の平和－－の２点を合わせた９本柱から成っている。

　小沢氏は２１日行った所信表明で「あと１カ月余りで決着をつける。政治家として精神的にも肉体的にも最後の大一番」と次期衆院選での政権交代実現にかける強い決意を強調。「自民党総裁は政権を投げ出せても、国民は生活を投げ出せない。政権を担う資格はない」と自公政権を批判した。５本柱を「日本型セーフティーネット」と位置付け、「国の統治機構を根本的に改革することで財源は確保できる」と述べた。

　党大会では菅直人、輿石東両代表代行や鳩山由紀夫幹事長ら役員全員の再任を小沢氏が提案、了承された。【渡辺創】