Dr.マッコイの非論理的な世界 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2006-01-04

[] 民間初!自衛隊広報サイト

去年まで拉致問題をはじめとして保守的な内容のブログをされていたlogさんからメッセージをいただきまして、電脳補完録の山本さんらと共に、民間初の自衛隊広報サイトを作られたということなので、リンクをさせていただきました。

やまあらし-Protrect and Serve-

どうも政府のやっている広報活動というのは、どの方面でもイマイチだと思っていました。先の選挙の自民党の広報をちょっと見習ったらどうかと思うくらいで。ということで、自衛隊などは特に国民へのアピールが重要だと思いますので、民間で自衛隊の広報活動をサポートするというのは良いことだと思います。

動画などもふんだんにあり、なかなか見物です。

ところでメールいただきましたlogさんのブログは保守系のブログの中でも私が特に信頼していたところだっただけに、ブログ休止)の時にはとても残念に思いました。過去ログも消えていたということはもう再開されないということなのでしょうが、これまた残念です。

今後とも各方面でのご活躍、期待しております。

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[][] 日本の転落(1)

日本の経済は回復気味だと言われるが、かつてはさまざまな分野で世界のトップを走っていた。今後の国家戦略を考える上でも、かつてはどうだったのか、なぜ日本は転落してしまったか、を知ることは重要と思われる。ということで、てっくさんが「年の始めに−わが国の国家戦略はいかに」にて、月尾嘉男先生の講演の文字起こしをされていたので、その話題について。

「百年単位の転換点に直面する日本 」という講演の内容。なかなか興味深いものだ。そのまま転載するのも気が引けるので、勝手に要約した上でとりあえず前半部分だけ取り上げさせていただきたい。正確な内容はてっくさんのところで掲載さされている全文を読んでください。

●屈辱の国際競争力ランキング

スイスの経営開発研究所(IMD)が世界51の国を対象に、250ほどの統計を集め、数値を調べて、各国の順位をつけている。これによると、1992年まで日本は「経済」でアメリカを押さえて1位だった。「企業」はその後もしばらく1位。ただし「行政」だけは順位がもともと低かった。

ところが世界経済崩壊のはじまりとともに、93年には2位、そして3位、4位と、どんどん落ちて、最悪は2002年に27位にまで落ちた。(51の国のなかには中南米の国やアフリカの国も入っているので、先進諸国だけの比較でいえば、ほとんど最下位)。

「企業」も、「経済」も、全て落ちて、「社会基盤」だけが何とか持ち直したのが現在の状況。なぜ、こんなひどいことになってしまったのか。その原因を以下に・・・。


●「鉄は国家なり」が生きていた時代

鉄に関してあまりに劇的な成功体験があったので、我を忘れたという事があるのかもしれない。「鉄」に関してどれほど日本が成功したか。それは、あらゆる鉄の原料になる鉄鋼の生産量を比べてみるとわかる。

1900年頃にアメリカがイギリスなどを抜いて1位に躍り出たが、冬至の日本はまだ大変な後進国で、アメリカの700分の1しか鉄を生産していなかった。しかし、1901年に官営八幡製鉄所ができ、そこから本格的に鉄の生産をはじめてどんどん頑張り、第2次世界大戦でいったん落ちたものの戦後に復興し、1976年に日本は1位になった。アメリカの6234万トンを抜いて、日本は8704万トンの生産量となった。

1970年代には「鉄は国家なり」という言葉が生きていた。鉄は兵器をつくるためにもっとも重要な資源なので、優秀な鉄を大量につくる国が一番強いと言われていた。その後、武器がさほど重要ではない時代になっても、社会基盤を整備するとか、自動車をつくるとか、橋をつくるといったことに鉄が使われるので、鉄をつくる能力がある国が強い国であるというのが一般的な評価だった。だから、そういう意味では1976年に日本はもっとも強い国になったといって過言ではない。

今は残念ながら量では中国に抜かれ、アメリカにまた抜き返され、3番手程度になった。

その鉄を使った自動車でも、すさまじいことが起こった。1965年には、日本の自動車生産台数はアメリカの5分の1だったが段々と追い上げて、ついに1980年には日本の1090万台に対してアメリカは810万台と、大逆転をした。

90年ころまで日本がどんどん引き離すという状態だったが、残念ながら、再びアメリカに負けた。ただし、トヨタ自動車一社に限っていえば、もしかすると世界一のGM抜く可能性があるかもしれないが、もしそうなれば、アメリカにとっては深刻な出来事となる、つまり単に負けるという以上に、自動車はアメリカの輸出で1位の農産物の次に稼ぐ商品なので、ここで、「日本ごとき」に負けてしまうのはアメリカにとって屈辱的なことだから。

そもそもアメリカは日本を独立国だと思っていない。名目上はそうかもしれないが、アメリカ政府の高官がそういうことを本に書いたりもしている。たとえばカーター政権で特別補佐官をやったブレジンスキーという人物は、日本では『世界はこう動く』というタイトルで出版した本のなかで、「属国・日本」と何度も書いている。その属国ごときに負けたのは、アメリカにとって、輸出で実利を失った以上に、プライドをも失うという事態になるわけだから、深刻なのだ。

そうして「鉄は国家なり」の時代が終わり、情報社会に入り、今度は「半導体は国家なり」といわれるようになった。

ここでも、日本はすごかった。1980年、アメリカは日本の倍以上ものシェアを持っていたが、82年、84年と少しずつ接近して、ついに1986年に日本が逆転し、92年までずっと優位にあった。


●日本企業の不用意な海外投資

金融分野でも日本はすごかった。1990年に世界の全ての銀行の資産総額を評価して、順番に並べたものによると、上位20行のうち11行が日本の銀行で、1〜5位までを日本の銀行が占めてしまっていた。(もちろんバブルで土地や株の評価額が上がった事を含むので実力以上の評価ではあったが)

ここで「勝って冑の緒を締める」という慎重な投資をすればよかったのが、あまりにも手元にお金がありすぎるために、不用意な投資をしてしまった。たとえば1989年、三菱地所がニューヨークはマンハッタンにあるロックフェラーセンタービルを丸ごと買収した。

この頃、ソニーがコロンビア・ピクチャーズ(現・ソニー・ピクチャーエンターテインメント)という映画会社を買収したり、松下電器産業はユニバーサルスタジオを持っている親会社のMGMを買収したりもした。それ以外に、小さな企業もたくさん買収して、第一不動産という会社はマンハッタンのティファニーの入っているビルを買収したし、ベンチャービジネスで大変お金を儲けたコスモワールドは、テレビ中継などでも有名なべブルビーチゴルフクラブを買い取ったりもした。

ニューズウィーク』その他の週刊誌などは、「日本の企業がアメリカ経済の中枢を買い占めた」というようなことを盛んに書きき立てた。

で、これらは実は不用意な投資だった!


●勝利のためなりふり構わぬアメリカ

こうしたものが、なぜ不用意な投資であったのか。

ロックフェラーセンタービルは、2年程度で結局、もとのロックフェラーの所有に戻った。アメリカは大変に恐ろしい国で、ロックフェラーセンタービルを三菱地所が買ったとき、「ニューヨークの不動産の売買やテナントの入れ替えについては、前の持ち主との協議のうえ行わなければいけない」という新しい法律を作った。ということは、ロックフェラーは経済的には手放しましたが、権限としてはまだ持っているということになるり、三菱地所は、買ったものの自由にならないという、いま日本が持っているアメリカ国債のようなもので、持ってはいても身動きの取れないことになってしった。

そうこうしているあいだに、既にこの時期、プラザ合意以降なので、ドルの操作はアメリカは自由自在で、ロックフェラーの価値をどんどん下げて、2年で半額になってしまった。三菱地所がこれ以上持ちこたえられないというところで、ではロックフェラーが買ってやろうということで、もとの値段の半分ほどで手放すことになった。

もっとすさまじいのは、ロックフェラーが買い戻した後、先ほど、三菱地所を悩ませたあの法律はどこかへ行ってしまった。本来ならば、三菱地所がロックフェラーに対して、いろいろと発言権を持つはずであった法律が消えてしまったということで、まあ、アメリカというのは自分のためならなりふり構わぬ恐ろしい国であるという事がよくわかる。


●シンジケートの機嫌を損ねた松下

コロンビア・ピクチャーズは何とか維持されているが、ユニバーサルスタジオは、結局、株式の80%をカナダのシーグラムに売ることになった。

映画制作を成功させるためには、1番がシナリオ、2番に監督、3番に俳優なのだが、その良いシナリオが入らなくなってしまった。

これはシンジケートがあって、10数人の映画会社のトップマネジメントだけがシナリオを密かに閲覧して、良いものは全てピックアップしてしまう。残ったクズを、投資したいといってくる日本企業などに出すということで、、要は投げ捨てられたものに日本企業が投資するということになっており、日本企業でハリウッドに投資して儲かった企業は1社もない。それは、こうした仕組みがあるから。

監督や俳優にも同じようなことがある。たとえばアメリカン・アーチスト・アソシエート(AAA)という組織など。ハリウッドのボスが、たくさんのシナリオ作家、監督、俳優、その他いろいろと映画をつくるのに必要な人を抱えている。

で、ある事情で、ユニバーサルスタジオを松下が買って以降、そこのご機嫌を損ねることになり、そこで、ユニバーサルスタジオには、良いシナリオも、良い監督も、良い俳優も回ってこないという仕組みになり、ということは結局ヒット作が出ないので、どんどん株価も下がって売らざるを得ないことになった。


●バッシングを受ける成金・日本

それからベブルビーチゴルフクラブはコスモワールドが500億円で買ったのだが、普通に行けばこの投資は、すぐに回収できると思われた。

当時、ならここの会員権は1億円ほどで企業にいくらでも売れるだろうとの思惑で、日本で500社に会員権を売れば、すぐに500億円の投資は回収できると、ほとんどを住友銀行から借り入れて買った。

ところがカリフォルニア州が突然、「ゴルフクラブで法人会員は品位を汚すから禁止する。個人会員以外は禁止。」という法律をつくってしまった。

すると買った日本の企業はお手上げで、あっという間に倒産。結局、住友不動産が後始末をして、アメリカの手に渡った。

個人資産で国際相場の2倍以上でゴッホとルノアールの絵を買った日本人がいたが、

「日本人は金に飽かして美術品を買いあさり、自分の応接間に飾ってみている」

と外国の新聞や雑誌がいろいろと揶揄した。

 

その挑発にカッとなって「自分で買ったんだから勝手だろう。そんなに言うなら、おれが死んだとき棺おけに入れて一緒に焼け」とやり返したために、さらに非難轟々。

「日本人は何を考えているんだ。世界の財宝を買い、人にも見せない、自分と一緒に焼けとはどういうことか、これだから成金は困る」

こうして、日本はあらゆる不用意な投資が行われ、あらゆるバッシングを受け、企業でも個人でも、大変な富を失うことになった。

(つづく)

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