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八回に被弾、コイ涙雨 連勝止まり4位転落 '08/9/29

 阪神―広島最終戦(阪神14勝10敗、18時、甲子園、43513人)

広 島000002100―3
阪 神01020002×―5
▽勝 藤川57試合8勝1敗36S
▽敗 上野40試合2勝2敗
▽本塁打 今岡7号(1)(青木高)金本25号(2)(上野)

 ●…阪神が80勝に到達した。3点リードを七回に追いつかれたが、同点の八回から藤川を投入。その裏、無死一塁から金本が勝ち越しの25号2ランを放った。藤川は最後まで投げ切って8勝目。広島は連勝が3で止まり、4位に転落した。

 ▽球炎 もう敗戦は責められぬ

 気にするなと言われても気にもなり、どうしようもないことだと分かっていても、よりによってである。必死に戦う選手の前に立ちはだかるのが金本と新井とは…。元同僚のバットに負けた揚げ句、甲子園のお立ち台で2人が立つ姿を直視するのは、つらすぎる。

 選手が残り試合を全勝する気概である以上、とても単なる一敗とは思えない。しかし、引きずった時点で2度負けることを強調したい。配球や走塁でミスと言えるプレーはあったが、残り6試合で取り返せるような時間がない今、勝っても次なら、負けても次である。

 終盤は延長戦を想定した投手起用をしたのだから、上野が責めを負わされる必要はないだろう。シュルツの投入を回避した上に、これまでと同様に先攻のゲームでは勝ち越すまで永川を使わないのがブラウン流だ。とやかく言う前に、もう信じるしかない。

 敗戦を責める季節はもう終わっている。試合序盤、各打者が金縛りにでも遭っているような重圧と戦う姿も見れば、掛けられる言葉は一つしかない。「絶対にあきらめるな」。そして、球炎子としてできることも一つしかない。新井に電話し、メールも送った。「中日に勝ってくれ」(木村 雅俊)

 ▽上野続投の賭け 結果は裏目に…

 同点の八回に金本の打球が舞い上がった時、広島ベンチの悲鳴が聞こえてきそうであった。「厳しくない内角球を運ばれたか」と顔をしかめたブラウン監督。「2イニング目も変わったところはなかったが…」と勝ち越し弾を浴びた上野。強烈な粘り腰は一歩、及ばなかった。

 一つのポイントは、七回から登板した上野を八回も続投させた点だろう。「雨でマウンドが荒れていた。シュルツは苦しむのではという判断が働いた」と監督は説明。七回の球筋が良かった上野に賭けたのだった。

 「賭け」というなら、青木高を中4日で先発させた選択もそうだ。このところ荒れていた大竹を思い切って飛ばした。「大竹は阪神と相性が悪い。青木高はどんなチームでも試合をつくる可能性が高い」。ローテ順にこだわらない。一戦必勝の決意はそこに示した。

 好ゲームだった。しかし、結果のみが求められる一戦だから、監督の判断は裏目だったということになる。「野球は自分でコントロールできないこともある。一人一人にできるのは、しっかりとしたプランを持って、試合にも臨むことだけだ」。監督はいまさらじたばたするつもりはない。残り6試合。(五反田康彦)

 ▽栗原初の100打点

 栗原が自身初となる100打点を記録した。

 1点を追う七回二死二、三塁、ウィリアムスのスライダーを詰まりながらも左前に運び、三塁走者を迎え入れた。「なんとかしたかった。安打になれば当たりは関係ない」と振り返った。

 ただ、大台乗せを素直には喜べなかった。一回無死満塁で併殺。「あれで自分たちのペースでいけなくなった。1点でも入っていたら違った」と自らを責めた4番。「今はとにかく勝ちたい」と語気を強めた。

【写真説明】<上>【阪神―広島】八回裏、阪神無死一塁、金本(左)に勝ち越しの2ランを打たれ、無念そうな上野(撮影・岡本沙樹)
<下>七回表、広島二死二、三塁、左前適時打を放ち、初の100打点を達成した栗原




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