新しい夜間・休日急病センター10月着工

 苫小牧保健センター(理事長・沖一郎苫小牧市医師会会長)は、軽症急病患者を受け入れる苫小牧市夜間・休日急病センターの新施設建設工事を、10月下旬着手する。場所は、保健センターに近接する旧苫小牧保健所跡地(苫小牧市旭町)。2009年4月オープン予定だ。
 新施設は、鉄筋コンクリート平屋建て570平方メートル。診療室や処置室、薬局、エックス線撮影室、事務室などを設けるほか、感染症患者の隔離室も整備する。経過観察用ベッドを現行2床から6床に増やし、エックス線撮影装置や超音波診断装置、上部消化管用ファイバースコープなどの医療機器を備え、薬剤師や、エックス線を扱う放射線技師を新たに配置する。
 診療科目は従来通り内科と小児科。診療時間の変更もない。ただ、月曜日から金曜日の平日は、午後7時から10時まで、医師2人、看護師4人の態勢にし、現行より倍増した医療スタッフで急病患者に対応する。市の支援を受け、総工費1億5000万円。
 急病センターは、夜間や休日の一次救急(軽症)を扱う保健センター運営の医療機関。常勤医や市医師会の派遣医がローテーションを組み、年間1万1000人の患者の治療に当たっている。一方で二次救急(中・重症患者)の受け皿の市立病院や王子総合病院にも、軽症患者が集中。一刻を争う患者の治療が遅れてしまう恐れや、当直医の過重労働が問題になっていた。
 保健センターは、新施設の開設により年間数千人ほどの利用増を見込んでいる。
 

樽前紅葉 今年はいまひとつ?

秋の日差しに、鮮やかに輝き始めた山ろく
 樽前山(1,041メートル)に紅葉の季節がやってきた。晴れ上がった28日の日曜日は、紅葉を目指して多くの登山者が訪れた。
 9月の気温がしっかりと低くならず、紅葉への切り替えスイッチが入りにくいよう。山ろくを赤く鮮やかに染めるはずのナナカマドも、先週中盤の強風で、かすかに黄色くなりかけたところで葉が傷んでしまい、今年は期待薄。
 それでもオオバスノキやマルバシモツケは赤く色付き、イソツツジなどの緑と美しい対照を見せ登山者を喜ばせた。
 

食を守れ!食文化再生フォーラム
 食文化再生フォーラム「今、問う!グローバリズムによる食と農の崩壊の危機に市民はどう立ち向かうか」が27、28日、苫小牧市サイクリングターミナルで開かれた。農業が直面する現状や食の危機について議論し、食を守るために市民レベルで実践できることを考えた。
 NPO法人がるだする(館崎やよい代表)主催。道内外で食の安全・安心などに取り組む関係者を講師に招いた。初日は、宮崎県綾町で農園を営む郷田美紀子さん、金沢大大学院の世古一穂教授らがそれぞれの立場から食を取り巻く現状を報告。参加者も交え食の現状と課題について話し合った。
 郷田さんは、有機農業の発祥の地として全国各地から視察団が訪れる綾町の農業の現状を発表。「食べるという行為は欲望を満たすとともに生きるための必然。気候風土によって食文化は異なるが、人の手が入らない森が豊かなのと同じで、なるべく人の手が入らず自然に育てられた野菜はおいしい」と話した。
 地球規模から見た食の現状について講演した世古教授は、食の偽装事件や原油価格の高騰による穀物の高騰など、「すべての原因は経済のグローバリゼーション」と指摘。「お金で価値を測ろうとするグローバリズムが生み出した負の連鎖が食の偽装事件をも引き起こしている」と食の危機を訴えた。2日目は、食を提供する人たちが事例報告した。
 

サケ、カレイも 笑顔で地引き網

地引き網を楽しむ子供たち
 苫小牧ライオンズクラブ(岩崎悦雄会長)は28日、苫小牧市内の樽前浜で移動例会を開き、NPO法人共同学童保育所「じゃがいもクラブ」の子供と保護者らを招いて、地引き網漁やごみ拾いを行った。
 ライオンズクラブの活動内容を広く知ってもらおうと企画したイベント。総勢約80人が参加した。海岸一帯のごみ拾いに続いて行われた地引き網漁では、サケやカレイネシシャモなどが何匹も水揚げされ、懸命に網を引いた子供や大人たちを喜ばせた。
 昼食ではサケのチャンチャン焼きや豚汁が振る舞われ、冷えた体を温めていた。
 

【安平】選抜乳牛が勢ぞろい

 2008北海道ホルスタインナショナルショウが27、28日、安平町の北海道ホルスタイン共進会場で開かれた。道内各地の予選を勝ち上がった乳牛約400頭が出陳されたほか、乳製品などの販売ブースも設け、華やかな雰囲気で道内乳牛の品質の高さを確認した。
 北海道ホルスタイン農業協同組合(北良治組合長)主催、道ホルスタイン協会が協賛する恒例行事。集まった乳牛は、月齢や出産の有無など14部門に分け、プロポーションを厳しく審査した。会場には道内各地の生産者らが詰め掛け、審査の様子を見守った。
 北組合長はあいさつで、「世界的な原油、飼料価格の高騰で、酪農家のコストダウンの努力だけでは立ち行かない」と指摘し、「北海道は安全、安心の食料基地として、関係者一丸となって取り組みたい」と述べた。来賓の滝孝町長は2010年の全日本ホルスタイン共進会に触れて「道酪農界の先導的役割を果たして」と期待を寄せた。
 牛舎をイベント用に開放し、酪農学園大や各業者が展示ブースを開設。乳牛の品質改良の成果を紹介したり、専門の酪農機材などを販売した。世界各国のチーズも即売されたほか、三笠市の東山牧場のソフトクリーム、後志管内ニセコ町の高橋牧場の飲むヨーグルトなど、各地が誇る乳製品が人気を呼んでいた。
 

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