ハッキングの危機にさらされる韓国の防衛産業(上)
国家機関もハッキング攻撃を受ける可能性
イージス艦や誘導ミサイルの生産といった防衛産業分野を担う韓国国内の主要企業が正体不明の勢力からハッキングを受け、人工衛星までも奪取(統制権が人手に渡ること)されるかもしれない。国家保安技術研究所の国会報告は、「サイバー国家安全保障」における危険のレベルを明らかにした。数兆ウォン台の資金を投入し開発された韓国の先端兵器製作技術や人工衛星が、いつの間にか「敵」の手に渡る可能性があるからだ。
◆先端防衛産業、誰がハッキングを?
国家保安技術研究所は、現代重工業やLIGネクスワンなど、韓国の防衛産業各社がハッキングされたという事実を国会に報告した。しかし、誰がどのような目的でどんな情報を盗んだのかに関する資料は提出しなかった。金泰煥(キム・テファン)議員は、「研究所側は、中国もしくは北朝鮮でハッキングが行われたとみている」と語った。北朝鮮は今年8月に韓国陸軍野戦軍司令部の大領(大佐に相当)級幹部にハッキングメールを送り、摘発されたことがある。このハッキングメールは、添付されたファイルを開いた瞬間、コンピューターに保存されている情報を盗み出すものだった。また今年初めには、大統領府(青瓦台)国家安全保障会議(NSC)の職員が中国を経由したハッカーに攻撃を受け、コンピューターに保存されている情報を失ったこともあった。国防部は北朝鮮の専門ハッカーのうち、500人から600人は米国中央情報局(CIA)並みのハッキング能力を有すると推定している。金議員は「研究所側は、どんな情報が流出したのか分からないと言うが、場合によってはイージス艦や誘導ミサイルなど先端装備開発技術がハッカー側に漏れた可能性もある」と語った。
現代重工業が作ったイージス艦は、基本的な艦体価格だけでも1兆ウォン(約910億円)余りになる。ここに各種のミサイル・電子装備などを含めれば、全体の価格ははるかに高くなる。現代重工業は最近、携帯電話やコンピューターの保安を強化する一方、韓国情報保護振興院と「サイバー侵害の共同対応に関する協約」を締結し、ハッキングの予防技術や悪性のコードを探知するシステムなどの提供を受けたという。LIGネクスワンは、開発に多大な時間と費用がかかる誘導ミサイルを開発する企業だ。これまでに、敵後方の主要施設を攻撃可能な射程距離300キロの地対地ミサイル「玄武」、海面すれすれを飛行する艦対艦ミサイル「海星」、地上から敵の航空機やヘリコプターを迎撃できる携帯兵器「神弓」などを開発している。
国家保安技術研究所は、このほかにも電子マネー企業のI社、地理情報システム(GIS)を利用した東北アジア海洋衛星観測データベース構築企業のH社、ネットワーク保安関連製品の開発を手掛けるG社などが、今年に入りハッキングを受けたと報告した。金議員は「防衛産業に従事する民間企業各社だけでなく、国家機関もハッキング攻撃の対象となる可能性も高い。汎国家的なサイバー情報戦対応策整備が急がれる」と語った。
黄大振(ファン・デジン)記者
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