大規模工事の現場を統括する「監理技術者」資格の不正取得を内部告発し、報復人事を受けたとして、三菱重工業社員の西村茂さん(54)=休職、子会社出向中=が28日までに、同社に出向取り消しと慰謝料など110万円の支払いを求める労働審判を神戸地裁に申し立てた。
8月4日付の申立書によると、西村さんは同社神戸造船所(神戸市兵庫区)に勤務していた平成16年7月、不正取得問題を社内のコンプライアンス委員会に指摘。委員会の対応が不十分だとして、17年3月には国土交通省に通報した。
西村さんは16年10月に担当業務を外され、同省への通報後には当時在籍していた部の管理を担当する課長に「皆が迷惑する。会社から出て行け」と言われたという。19年6月に子会社へ出向、社宅の清掃を命じられた。
神戸造船所は「内部告発をもって社員を出向させたという認識はない。適切な人事管理をしてきており、審判の場を通じて立場を明らかにしていきたい」としている。
|