アフラトキシンのリスク査定: 「レッド・ブック」モデル教材
Aflatoxin Risk Assessment: “Red Book” Model Exercise
Charles Yoe博士、ノートルダム大学、メリーランド
この翻訳は、岡本個人が国民教育の教材提供として行うものであり、一切の営利活動とは関係していない。この資料を商業的に利用される方は、「Food Safety Risk Analysis Clearinghouse」とCharles Yoe博士の許可を直接得てください。また、誤訳等があり得ることもお断りしておきます。
No.30 これは、リスク査定のやり方についての特定例であることを思い出してください。化学物質のリスク査定は、たとえば食品添加物について行われているように、それぞれ異なっています。リスク査定の趣旨は、それぞれ特有のものがあり、確率論的なリスク査定モデルに基づいている。微生物のリスク査定は、さらに異なっている。 |
|
No.31 リスク査定の手順を辿ってみましょう。 先ず、危害の特定から始めます。この手順では、「どんな支障をきたすか?」、そして、「それはどのようにして起きるのか?」と質問し、答えることです。アフラトキシンの歴史とそれについて我々が知っていることを検討してきましたが、今度は、FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JECFA)がアフラトキシンについてこれまで何を言ってきたのか振り返ってみましょう。 |
|
No.32 JECFAは二度に亘ってアフラトキシンを評価してきました。 |
|
No.33 最も近くは、1997年に行われた評価である。 ヒトは他の動物種よりもリスクが低いとするいくつかの証拠がある。 疫学的研究は、アフラトキシンが検出可能な独立したリスクではないとした。 |
|
No.34 重要な事実は、B型肝炎陽性のヒトは、アフラトキシンやその他の発癌物質よりも、肝癌のリスクが高いことである。このことは、リスク査定の局面で起き得ることの一部である。 |
|
No.35 あなたは、リスク査定の概念について、どこまで付いてこれましたか? 最初の質問に答えることができますか? 危害とは・・・・ 癌? 落花生? アフラトキシン? それとも、それらを含めた別の何か? リスク査定という専門用語は、とても入り組んでいます。 |
|
No.36 アフラトキシンについての理解の進展に基づいて、JECFAは次の声明を出しました。 現時点における危害とは何かについて、これ以上明確なことがありますか? 「ない」と答える方は、正常です! リスク解析(risk analysis)という言葉と概念は、我々は現在リスク査定を練習しているのだが、とても取り扱いにくい。 |
|
No.37 危害の特性解明が用量―反応解析によって実施されるならば、両者のリスク査定モデルは本質的に同等である。用量―反応解析に続いて、危害がどのように発生するか、リスク査定における重大な要因は何かへと移っていく。 |
|
No.38 用量―反応解析には、毒性学的研究が必要である。この面に関しては、リスク解析は従来の食品安全解析と類似している。ここで明らかなように、多くの科学分野がリスク査定の手順に用いられているのです。
No.39 用量―反応については異なった種類のモデルがある。安全であるか、または安全でないかの決定に当てになりません。データの情報内容は、多くの要因によって制限を受けています。関連する制限のいくつかを紹介しましょう。
No.40 どのような種類の毒性研究が利用可能でしょうか? それは場合によります。用量―反応データのいくつかの情報源があります。 あなたはこの種の情報をどこで見つけますか? 「Clearinghouse」のウエブサイトは、この種の情報を入手する優れた窓口です。このウエブサイトにリンクされている下記のデータベースを通して何が利用できるか調べてください。 残留物と添加物に関するFAOのデータベース (JECFA ) 米国国立保健研究所のデータベース「TOXNET」 (NIH: Toxicology Data Network)
(つづく) |
|
|
|
|