2008年04月23日
カビ毒被害が隠されるのは 4月23日
4月20日の農業新聞九州エリアの記事から。
鹿児島県豚病清浄化対策を強化。
全国一の養豚県である鹿児島県で「近年」豚の死亡被害が農家 経営を圧迫している。06年は母豚約12万1700頭で年間約25 3万頭が生まれ、出荷頭数は約197万頭。約56万頭が死亡した と推定。危機感を強めた県や関係機関は農家アンケートを実施。 その結果オーエスキー病や流行性下痢、繁殖・呼吸障害症候群 (PRRS)、サーコウイルス感染症の様な症状が…。鹿児島県は 今年度は原因究明(抗体検査・病性鑑定など)を実施して改善策 を講じたいと…。
この被害にはカビ毒で問題と成る繁殖障害(流死産・不受胎)や 妊娠母豚の死亡による産子減少被害は含まれていません。それ らを考慮したらもっと大きな数字と成ります。生まれた豚の約22 %が死んでいる計算ですが、1万頭収容畜舎に半数も収容出来 てない肥育農場も有り被害はもっと甚大です。
「近年」とは05年秋頃からで、カトリーナ被害を受けカビ毒に汚染 されたトウモロコシが、06年に架けて輸入され家畜被害を増加さ せました。家畜飼料のカビ毒汚染が表面化しない限り、どの様な 対策を講じても被害の改善は望めません。
これだけ甚大な被害が出ているにも関わらず、政府がカビ毒を公 にしない理由は、大きく分けて二つ考えられます。
一つは、当然アメリカからの輸入であるためでしょう。アメリカにこれ 以上の貿易赤字を出させるわけにはいかないでしょうし、中国や韓 国に歩み寄りを見せているアメリカ政府が、これ以上浮気しないよう に、出きるだけアメリカに喜んでもらえる政策を実行しないといけま せん。平和を訴える国民とは裏腹に、政府は米と世界のある程度 の緊張状態を欲する訳ですね。
二つ目は多少一つ目に関連するのですが、牛肉のBSE問題からの 教訓じゃないでしょうか。近年大きくアメリカの命令に日本が背いた のはあの一件だけです。消費者からのクレームが殺到し、不信感が 募った挙句に、仕方なく輸入禁止に踏み切りました。アメリカの再三 の輸入勧告で、何度も輸入再開に踏み切ろうとするものの、その度 に問題がおきて、結局消費者のほとぼりが冷めるまでかなりの時間 を要しましたね。あの件に学んだ政府が、そう簡単にことを大きくする とは考えられません。消費の冷え込みにも繋がるでしょうし、食の安 全を投げかけるのは、今はあくまで中国が相手でなければうまくない 訳ですね(中国脅威論は軍事利権拡大の引き合いでもあるので)。 そういった意味で、今は絶対にカビ毒被害についてはうやむやにし たいのでしょう。
言うまでもなく、犠牲になっているのは、いつもどおり弱者です。
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