先日、銀行の窓口でNIE関係の通帳を渡す際「NIEをご存じですか」と尋ねたところ「申し訳ないんですが…」との返事。あらためて知名度の低さを実感しました。
NIEは「Newspaper In Education」の略で「教育に新聞を」という意味。学校などで新聞を教材として活用することです。教育界と新聞界が協力して展開しています。
新聞が生きた教材であることには疑う余地がありません。サブプライム住宅ローン問題に端を発した米の金融危機は教科書にも載るでしょう。それを新聞は現在進行形で伝えてくれます。
もう一つはIT社会の進展、ゲームの普及などで指摘される子どもの読解力低下。活字媒体である新聞は、この問題への特効薬になりうる可能性を秘めています。
いいことずくめのNIEですが、知名度とともに教育現場での広がりが必ずしも十分とは言えません。手間がかかる、マニュアルがないなど理由が指摘されています。
こうした声に応え、岡山県では昨年岡山市で開かれたNIE全国大会を機に一人だったNIEアドバイザーを四人に増やし、指導体制を充実させています。
実践校の教師からは「生徒が世の中の動きに関心を持つようになった」「物事を深く考えるようになった」との声が聞かれ、本紙にも子どもたちの感性豊かな原稿が次々と寄せられています。
今、来年度、NIEに取り組む小中高校を募集する時期にきています。ご応募をお待ちしています。案ずるより産むが易(やす)しです。
(地域活動部・遠藤俊介)