2003/01/29 (産経新聞朝刊)
日教組教研集会閉幕 拉致報道でメディア批判「事実究明は学校教育で」
奈良市などで開かれていた日教組の第五十二次教育研究全国集会(教研集会)は二十八日、四日間の日程を終了して閉幕した。この日の平和教育分科会では、北朝鮮による拉致事件について討議。ゲストとして出席した高嶋伸欣琉球大教授は、産経新聞などのメディアの拉致報道を批判したほか、配布資料で「救う会」も非難した。
高嶋教授は新聞各紙の記述を比べることで児童・生徒が事実を見抜く力を養うとする授業作りを提案。「拉致事件を授業でどんどん積極的に扱っていこう!」と題する資料が配られた。
ところが、その内容は拉致の事実を踏まえながらも、
「日本が北朝鮮を敵対関係に追い込んだことが明白」
「こうすることで現在の日本中に見られる『日本側は善意で無力な第三者で何の責任もない』という被害者意識がいかに的外れのものか生徒たちにもわかるはず」などとしている。
高嶋教授は「(意図的にゆがめた情報を流す)マスコミが(事実を)整理できないのなら、(事実の究明を)学校教育でやろうではないか」などとメディアを批判。
産経新聞や新しい歴史教科書をつくる会について「この状況に便乗して拉致問題を教えるべきだと強調している」としたほか、資料には「救う会」について「政治的意図が明白」と記述されている。
これを受けて、会場から「マスコミが真実を伝えてくれるという幻想を乗り越える時期が来ている」などの発言があった。