銃殺の家 1/2


世の中には、決して触れられることのない、触れてはいけない領域というものがある。
その境界線は、人によって様々だ。
たとえば、廃墟を探索すること自体も、判断が分かれるだろう。
我々は今まで、多くの廃墟を見てきた。
リアルに人が亡くなった現場や、エロ本を切り刻み続ける男がいる廃墟も、何度も訪れている。
しかし、今回の廃屋だけは、今までとは全く違うものを感じた。
猟奇的とか、そういった生易しいものではなく。

サイトで公開することも、正直躊躇した。
今までは、公開・非公開の基準は面白いか、面白くないかだけだった。
それが今回、初めてお蔵入りにしようかと迷った。
それでも公開に踏み切ったのは、こうした内容だけに、非常に興味深かったからだ。
ただし、内容については大幅に制限している。
そもそもこの廃墟・事件についての本質ともいえる部分は、さすがに公開できなかった。
公開しているのは、至って表面的な内容だけだということを、最初にご理解いただきたい。





件の廃屋がある、日本のとある集落。
広がる田畑に点在する木造家屋、典型的な日本の農村風景・・・といいたいところだが、完全に異質の雰囲気を醸し出している一角があった。
実際に事件や事故等で廃墟化した建物というのは、何か隔離された雰囲気がある。
通常の廃墟とは明らかに空気が違う。



事の発端は、10年以上も遡る。
新築だったこの家には、ある家族が暮らしていた。
しかし、ある日突然、主が自らの頭部を銃で打ち抜き、自殺した。即死だった。
それ以来空き家となり、年月の経過と共に廃屋と化した。
近隣住民の間でもタブーな存在となり、人を全く寄せ付けないオーラを出し続けている。



しかし、この廃屋の存在と、その背景を知ってしまった以上、調査しない訳にはいかない。
そして、当初事件の本質と思われていた銃による自殺は、ほんの序章に過ぎないことが分かった。
だが、事件についてこれ以上の内容は、公開することが出来ない。






事件があったのは、玄関先。
早速にして核心からはじまる。



日本では、年間3万人もの自殺者があり、切実な問題になっている。
3万人のうち、銃を使った自殺者は非常に稀だ。



家族とともに暮らしている家で、来客中に主が玄関先で頭を打ち抜いたという。
それに、家族もお客さんも、全く気付かなかったという。



現場付近に残されているゴミ袋は、嫌な想像をさせる。
そんなことは無いと分かっていても、現実に事件があった現場だけに・・・



銃殺の家2/2 へつづく


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