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【石川】

新しい飼い主決まる 穴水・仮設住宅の猫『ヒメ』

2008年9月28日

新しい飼い主の梅田さん(右)に引き取られた佐々木さんの愛猫ヒメ=中能登町尾崎で

写真

佐々木さん涙こらえ

同僚の梅田さんに『お願い』

「ワカ」は別の“新居”に

 能登半島地震で自宅を失い穴水町大町の仮設住宅に暮らす佐々木静江さん(57)が、公営住宅入居に備え探していた飼い猫の引き取り先が決まった。佐々木さんは二十六日夜、新たな飼い主となる中能登町尾崎、旅館従業員梅田里美子さん(60)宅を訪れ、雌の「ヒメ」を手渡した。

 梅田さんは佐々木さんの職場の同僚。二カ月前に五年以上かわいがってきた愛猫がいなくなったこともあり、佐々木さんの猫を譲り受けることにした。

 佐々木さんはヒメがベッドとして使ってきたかごとトイレシート、大好物のかつお節やちくわを持参し「お願いします」と託し、八カ月間ともに暮らした“家族”と別れた。

 穴水町内に被災者用に新たに建てられる公営住宅ではペットが禁止されており、引き取り手を探していた。雄猫の「ワカ」も既に能登町の愛猫家に引き取られた。

 「心にポカンと穴があいた感じ」と佐々木さん。「猫たちのことを考えると新しい飼い主の元で暮らすのが一番。早く新しい環境に慣れてほしい」と涙をこらえ話していた。 (島崎勝弘)

 

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