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お産中3時間半放置、胎児死亡 三重の医院、謝罪し賠償

2008年9月28日12時58分

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 お産の途中で約3時間半も放置されたため胎児が死亡したとして、三重県四日市市の若林真奈美さん(47)と一道さん(49)の夫妻が同市内の産婦人科医院と院長の男性医師(68)を相手取り、約8600万円の損害賠償を求めた訴訟の和解が26日、津地裁四日市支部(安間雅夫裁判長)で成立した。医師側が過失を全面的に認め、賠償金を支払うことで合意。院長は法廷で「本当に申し訳ございません」と謝罪した。

 医院と院長は01〜03年に4件の医療過誤で提訴され、2件で過失を認め和解、今回は3件目。麻酔薬の投与ミスで女性が死亡したとされる1件は係争中で、院長は業務上過失致死罪で罰金刑を受けている。

 和解条項などによると、真奈美さんは00年9月、出産のため同医院に入院。院長は胎児を吸引する分娩(ぶんべん)方法を試みたが成功せず、「自然経過を見る」として分娩室から外出するなど約3時間半も母子を放置した。このため真奈美さんは胎盤早期剥離(はくり)を発症、死産となった。

 和解について、真奈美さんは「医師の過失によるものだと分かってよかったが、おなかの中で40週も生きていたのに死亡ではなく死産とされたのはとても残念」と話した。

 原告側代理人の広田智子弁護士は「4件すべてで裁判上の責任が認められ、『リピーター医師』と裏付けられた意義は大きい」と話した。

 一方、院長は取材に対し「何も話すことはない」とした。

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