千葉県東金市で、同市田間の看護師、成田多恵子さん(37)の次女幸満(ゆきまろ)ちゃん(5)が遺体で見つかった事件で、幸満ちゃんの左腕に強くつかまれた際にできるようなあざと血痕が残っていたことが、県警東金署捜査本部の調べで分かった。また近くの駐車場で見つかった幸満ちゃんの衣服や入れられていたレジ袋から容疑者の可能性がある指紋が採取され、鑑定を急いでいる。
調べでは、あざは手でつかまれた程度の大きさの皮下出血で、変色の状態から死亡する直前にできたとみられる。体の他の部分にあざはなく、左腕を持って強い力で車内や屋内に引っ張り込まれた可能性があるという。あざの周辺には、少量の血痕が付着していた。捜査本部はDNA鑑定を行い、幸満ちゃんの血液と照合している。
指紋が見つかったのは、駐車場で見つかった衣服やそれらが入っていたスーパーのレジ袋。家族以外の新しい指紋でほぼ完全な状態で採取された。
また東金中央クリニック周辺のマンションなどの建物には、複数の防犯カメラが設置されていたが、幸満ちゃんがクリニック内で最後に目撃された21日午前11時以降には、姿が映っていなかった。捜査本部はクリニックのごく近くで連れ去られたとみている。
遺棄現場の北西約30メートルの駐車場で、事件当日の21日午後0時10分ごろまで洗車をしていた男性が、捜査本部に対し「現場付近に止まった車両や不審人物は見なかった」と証言している。【山本太一、寺田剛】
毎日新聞 2008年9月24日 15時00分(最終更新 9月24日 16時47分)