若い世代の労働環境の改善を目的に、このほど発足した新組合「沖縄なかまユニオン」(比嘉勝子代表)は23日、那覇市のぶんかテンブス館で低所得のため返済できない奨学金の問題などについて意見交換した。親や当事者ら9人が参加し、奨学金を返済したくてもできないほど厳しい県内の雇用環境などについて悲痛な訴えが相次いだ。
有利子の奨学金を受けて県外の大学に通う娘を持つ女性(49)=那覇市=は「沖縄で返済していける職業は少ない。娘には『そこで就職したほうがいい』と伝えている。周りも同じ考えの母親がいる」と話した。娘は現在、大学4年で来年の卒業後は毎月3万円の奨学金返済が始まり、女性は返済ができるか不安を訴えた。
別の女性(69)=宜野湾市=は2人の子どもがそれぞれ奨学金を受けて大学を卒業。上の子どもは教員になり、規定で奨学金の大半が返済免除となったが、下の娘は東京で派遣社員として働きながら奨学金を返済している。しかし、給与が低いために返済が滞り、自宅に返済の催促があるという。
女性は「(下の娘は)返済に手も足も出ない。借りるときはとても助かった。大学を出て普通に就職したらちゃんと返せるつもりだったのに」とやりきれない思いを訴えた。女性は現在、娘に対して沖縄での就職を提案しているが、娘は「沖縄には仕事がないから」と答え、東京で派遣社員を続ける考えだという。
4月に正社員となった那覇市の女性(20)は高校時代に有利子で200万円の奨学金を借りた。10月から1万5000円ずつの返済が開始されるが「今の手取りは12万円に届かず、5年働いている人も5000円しか増えてていない。職場を変えたくても沖縄で返済に困らないのは公務員くらいだろう。兄と弟も借りていて、今後が心配」と述べ、正社員になっても返済が難しい現状を打ち明けた。
比嘉代表(28)=読谷村=は「雇用問題について法律を知らず、あきらめたりする人が多いが、みんなで声を上げて、日本学生支援機構や地方自治体にも伝えたい」と話した。
同組合による意見交換の集いは8月に続いて2回目。県外で派遣社員として働く友人に頼まれて代理出席した参加者もいた。次回の意見交換は10月19日午後2時から4時、那覇市西の県男女共同参画センターてぃるるで開く。連絡先は比嘉代表090(9783)9866。
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