中山国交相:「がんは日教組、解体しなければ」宮崎で発言

自民党宮崎県連会合で、失言問題について話す中山国交相=宮崎市で2008年9月27日午後1時43分、小原擁撮影
自民党宮崎県連会合で、失言問題について話す中山国交相=宮崎市で2008年9月27日午後1時43分、小原擁撮影

 中山成彬国土交通相は27日、宮崎市で開かれた自民党宮崎県連の会合などで「日本の教育のがんは日教組(日本教職員組合)だ。日教組は民主党の最大の支持母体で解体しなければいけない」と改めて日教組を批判した。「日教組が強いところは学力が低い」など中山氏の一連の問題発言を受け、与党内では中山氏の更迭論が強まっている。中山氏は県連の会合で日教組以外の発言については謝罪したが、記者団に「(日教組批判は)撤回しない」と強調した。

 中山氏は、宮崎市内や東京都内で記者団に対し、自らの進退について「国会審議に影響が出るならば、地位にきゅうきゅうとはしない。教育改革、地方に必要な道路づくりはやりたいが、『絶対に辞めない』としがみつくつもりもない。推移を見守りたい」と表明。そのうえで「出処進退は自分で決める。今晩、家に帰って妻(中山恭子首相補佐官)に相談する」と述べた。

 一連の問題発言については「失言というか舌足らずというか、言葉狩りに遭わないように気をつけないといけない」と語った。

 中山氏が再び日教組批判を展開したことを受け、与党内では辞任論がいっそう強まった。自民党幹部は「確信犯。辞任を覚悟して言っているのだろう。辞めるしかない」と語った。公明党幹部は「中山氏の持論だろうが、何ということを言うのか。ここまで言ってしまっては持たなくなる」と指摘した。

 麻生太郎首相は重要視する08年度補正予算案への野党の対応を見極め、10月上旬に衆院解散に打って出る方向で調整している。しかし、内閣支持率が45%と政権発足直後としては伸び悩んでおり、中山氏が辞任すれば衆院選への悪影響は避けられない。政府高官は「首相にとって中山氏更迭は難しい判断だ」と述べた。【犬飼直幸、中尾祐児】

毎日新聞 2008年9月27日 20時23分(最終更新 9月27日 20時40分)

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