小泉元首相政界引退 「引き際かと思った」と語るも、政治活動については強い意欲示す
政界からの引退を表明した小泉元首相は、大阪で「そろそろ引き際かと思った」と決断について語りながらも、政治活動については強い意欲を示した。
突然の引退表明から1日。塩川 正十郎元財務相の米寿祝いの会合で、小泉元首相は、「総理大臣辞めたら議員も辞めようと思ったんです」、「そろそろ、現役引き際かなと思って決意したわけでございます」、「わたしもできれば80すぎまでは、塩爺みたいな元気な姿で活躍できればなぁと」と胸中を初めて語った。
26日午前中には出身派閥・町村派の会合に出席し、「サプライズ引退」の真意を「政治活動は続けるが、国会の制約を受けたくないから議員はやらない。選挙区の事情もあるし、タイミングだよ」と説明した。
安倍元首相は「総理大臣として全力を尽くして、やるべきことはやったということだろうと思いますね」と述べた。
引退表明で再び時の人となった小泉氏。
こうした中、首相就任直後に、話題を小泉氏に奪われた麻生首相は「前々から言っていた。全然驚きませんね」と述べた。
引退後、次男・進次郎氏(27)を後継として出馬させる意向だという小泉氏、この世襲構想に野党は素早く反応した。
民主党の鳩山幹事長は「自分の息子さんを出されることになれば、普通のパパに戻ってしまいますよね。小泉氏らしくない」、「田中康夫さん、そのような声も出ていますから、候補の1人だと思います」と述べた。
民主党は、対抗馬として、新党日本代表の田中康夫参議院議員の名前を挙げた。
また、同じ選挙区からは、共産党の伊東正子氏が出馬を予定している。
そして、前回の郵政選挙で誕生した小泉チルドレンたちは、次期衆院選を前にその胸中は複雑だった。
自民党の井脇 ノブ子衆院議員は「ショックで、体が震えました」と述べた。
猪口邦子元少子化担当相は「バッジがついていてもいなくても永遠の師匠ですし、元総理(小泉氏)も私を導いてください」と述べた。
一方、小泉氏から刺客を送られた野田消費者担当相は「私は一番、小泉元総理にしごいていただいたという思い出があります。(小泉チルドレンたちは)ひとり立ちをしなければならないという厳しい環境に置かれる。私の場合、前回真逆の立場にありましたので」と述べた。
そして、小泉政権以降、解決の糸口がつかめない拉致問題。
家族会からは、引退表明に厳しい声が飛んだ。
拉致被害者家族会の飯塚繁雄代表は「5人帰ってきたからいいやということだけで、まぁ、いわゆる投げ出したという感じしかないですね」と話した。
「選挙には出ない?」という記者からの問いかけに、大きくうなずいた小泉氏。
27日は、地元の会合で支援者に引退について説明を行う予定。
(09/27 01:04)