「政治的空白で地域医療が崩壊」―日精協・鮫島会長
日本精神科病院協会(鮫島健会長)は9月26日、東京都港区の第一ホテル東京で「第82回定期代議員会・第93回定期総会」を開催した。開会のあいさつで、鮫島会長は「地域医療の崩壊が進行しつつあり、政治的空白による対応策の遅れは致命的な結果をもたらしかねない」と述べ、一刻も早い補正予算の成立と医療費抑制策の転換を求めた。
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日精協・鮫島会長「財源確保に注力」 鮫島会長は冒頭、24日に麻生新内閣が発足したことに触れ、「新しい内閣はどのような社会保障政策を展開するのか、あるいは早期の(衆院)解散に突入していくのか」と述べた上で、「地域医療の崩壊が進行しつつあり、政治的空白による対応策の遅れは致命的な結果をもたらしかねない。わたしたちは、一刻も早く当面の補正予算を成立させ、医療費抑制政策の転換を求める」との考えを示した。
鮫島会長はまた、「政局がどのように変化するとしても、医療制度改革の見直しと国民目線の医療、および医療費財源の確保を強く要求していきたい」と強調。現在、厚生労働省で審議が進んでいる「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」や、自立支援法の見直しなどにも言及し、「財政改革主導の構造改革路線から脱却して、新しい精神科医療の展開を切り開いていけるように心から願っている」と締めくくった。
これに対し、自民党の西島英利参院議員は来賓のあいさつで、社会保障費を毎年2200億円削減する方針を麻生太郎首相が2010年度予算で凍結する意向であることを示し、「2200億円の抑制という問題は、ほぼこれで解決の方向に向かったのではないか」と述べた。
この日の代議員会・総会には、同協会の理事や代議員を務める医師が全国から100人近く詰め掛け、07年度の事業報告、会計報告のほか、公益法人改革への対応など当面の重要課題について審議した。
代議員質問では、「今年度の診療報酬改定は不満が残る。このままでは医療崩壊は止められない」との声もあった。鮫島会長は、医療財源の確保に向けた働き掛けを今後も引き続き継続していく姿勢をあらためて示した。
更新:2008/09/26 20:43 キャリアブレイン
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