インターネット新聞のJanJan ネットニュースJanJan 総選挙はザ・選挙 政治資金データベース 最新映画情報の映画の森 今週の本棚(書評) TVJAN インターネット新聞JANJANの動画・音声配信 イベント情報ならイベントステーション 商品回収など、不祥事データベース 投稿写真サイト JANフォト インターネット新聞JanJanのブログ 日本から発信する中国語市民ニュース
ザ・選挙 すべて見せます総選挙 ザ・選挙 特集総裁選

トップ > 政治 > 麻生さん、女性閣僚は「消費者」「少子化」だけですか?
政治

麻生さん、女性閣僚は「消費者」「少子化」だけですか?

麻生太郎内閣では、消費者担当大臣と少子化担当大臣の2ポストに女性が登用されましたが、ジェンダーバランスの視点からは人数的にも不足ですし、少子化と消費者の分野であったことも、いかにも男社会的な選択であったように感じます。
日本 ジェンダー NA_テーマ2

 24日に発足した麻生太郎内閣の女性閣僚は、野田聖子消費者担当大臣と小渕優子少子化担当大臣のお二人です。

 野田さんについては、この2ヶ月で、それなりの実績を上げられているのはマスコミ報道などで、皆さんもご存知と思います。

 小渕優子さんに関しては、おじいさんから数えれば、3世議員でお父さんは総理大臣。地元群馬は、大逆風の2007年の参院選でさえ、自民党が負けなかった地です。大変、恵まれた環境にあることから、残念ながらあまり庶民の苦労はお分かりならないのではないか、と懸念しています。彼女の家に経済的余裕があるからこそ、子育てと政治家の激務が両立するということを肝に銘じていただきたい。

 ただし、やっと出産や子育てをする若い女性が内閣に入ったこと、その一点のみを「歴史の一こま」として、評価したいと思います。ほかの国では、30代の女性が閣僚になり、出産を経験するなど当たり前です。逆に男性でも、ブレア首相が、短期間ながら育児休暇を取得しています。それが「当たり前」なのです。

 日本では、年配の男性(たいてい妻にほかの事すべてを押し付けている)ばかりが権力を握り、この世代の女性を意志決定から排除してきた。その結果、日本が非常に仕事と家庭が両立しづらい、住みにくい国になってしまったのではないかと思います。

 政治家には、もっと世代やジェンダーバランスに敏感になっていただきたいと思います。

■なぜ、少子化と消費者だけ?
 また今回の組閣については、「なぜ、女性は、消費者と少子化だけ?」という思いがあります。この点に関しては、5人も女性を起用した小泉政権のほうが、まだよかったと思います。他の省庁に女性という視点は必要ないのですか? そんなことはありませんよね。

 農林水産省。農家で頑張っているのは実は女性であることが多かったりするのです。男性はむしろ会社勤めであったりする場合が高い。

麻生さん、女性閣僚は「消費者」「少子化」だけですか? | 農産物直売所の売り子の多くは女性。9月25日、三原駅前で筆者撮影。
農産物直売所の売り子の多くは女性。9月25日、三原駅前で筆者撮影。
 例えば、私の職場に近いJR三原駅前で農産物の直売をしているのは、世羅町の農家の女性たちが多いのです(写真)。彼女たちを後押しするような施策、必要ではないですか?

 国土交通省はどうか?最近、タクシーやトラック運転手にも女性は増えているし、農村では工事現場にも女性が多いですよね。決して男性だけのものではありません。

 厚生労働省。医療や福祉の従事者には、女性が多いですね。また同省が所轄する子育てや介護は、女性が担っている場合が多いのです。

 大臣の舛添要一さんは、男性でもまだ介護経験がおありな分まし、とは思いますが、パフォーマンスが先行し、実際の政策立案に生きていないように思えます。

 経済産業省。日本経済を支えているのは、この広島でも、大手企業の下請けの町工場などの女性が結構比重として重いのですがいかがでしょうか?

 文部科学省。教員は女性が多いですね? 一方、大学などには、厳然たる古臭い風土があり、女性たちが四苦八苦しています。

 財務省はどうか? 大臣の中川昭一さんは、実は教育費や育児費の国庫負担や、基礎年金全額税方式など、特に困窮しているシングルマザー世帯には結構やさしい経済についての持論を7月発売号の「中央公論」で展開しています。しかし、ドラスティックに足りないところに予算を振り向けるには女性を財務大臣、というのも手ではないですか?そもそも日本の多くの庶民の家庭では主婦を「大蔵大臣」と呼びますしね。女性財務大臣なら、日本の(庶民レベルでの)伝統にも即しているかもしれない。

 冗談はさておき、具体例を挙げたらきりがありません。

■消費者担当=女性でなくてはいけないか?
 逆に消費者担当が「ただでさえ少ない女性」に割り当てられるポストでなくてはいけないのでしょうか?

 汚染問題で話題の米。たぶん、体格から考えたら一般論としては、米が原料となるお酒も含めれば、男性の方が、一生涯の米の消費量は多いですよね?逆に、お米の「生産者」には実質的には、女性が多いかもしれないのですよ。農水大臣と消費者担当が男女逆だっておかしくない。

 女性閣僚がいないよりはいたほうがいい。しかし注文をつければ、今の閣僚の配置では、

男性=生産者
女性(=主婦)=消費者

 という刷り込みをさらに強化してしまうような気がします。

■公務員制度改革も女性に任せたら?
 もちろん、大臣だけでなく、幹部公務員の人選も大事です。国だけでなく、自治体もそうです。介護や育児を主に負っている女性の気持ちなんてまったく理解できない管理職が多すぎますし、まして男性が育児や介護で休むことに否定的な「化石」も健在です。「行革」となれば女性が多い職場ばかりが対象になり「男性のえらい人」は無傷、なんて例もうんざりするほど見聞きしています。

 女性の非常勤公務員の劣悪な条件は、なんとかしたい。しかし、やはり制度を決める人が男性のえらい人です。

 私としても、個別の法廷闘争を支援する以外、解決策がないのです。それを考えると、公務員制度改革担当に女性を持ってくるのもいいですね。

■民主党は、政権奪取なら公約履行を
 ただ、どうも自民党には、そんなに適当な女性の人材はいないのではないか、と思います。女性を「刺客」として大量擁立した「9.11総選挙」でも、票集めのための女性擁立という観がぬぐえない。

 近いうちに政権を奪取する可能性も高い民主党にも注文をつけます。麻生内閣と同じようなパターンの閣僚の選び方なら、有権者に失望されますよ、と。民主党は男女共同参画社会を公約に掲げているのですから。総選挙に勝利したら、男女共同参画の視点で組閣してください。

ご意見板

この記事についてのご意見をお送りください。
(書込みには会員IDとパスワードが必要です。)

メッセージはありません

おすすめコンテンツ

ページトップへ戻る
ネットニュース JanJan

JanJanとはQ&A報奨制度スタッフ募集個人情報保護方針編集局へのメッセージ会社概要

JanJanに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。全ての内容は著作権法並びに国際条約により保護されています。
Copyright © 2002-2008 JAN JAN. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.