１６年で５倍１５３人　病休者の４割/教組「忙しさ原因」

　二〇〇七年度に精神性疾患を理由に休職した教職員は、百五十三人に上り、過去十六年で最多となったことが二十六日、県教育庁のまとめで分かった。同年度の病気休職者三百七十七人に占める割合は、４０・６％。一九九二年度（三十人）の約五倍になっている。教職員組合は「現場の多忙化が一番の原因。早急に原因を突き止め、対策を取らない限り、教員を志願する人材が減りかねない」などと危機感をあらわにしている。（嘉数よしの）

　精神性疾患で休職する教職員は、九七年度から二〇〇〇年度までの間は五十人台だったが、〇一年度からほぼ毎年増え続け、〇五年度には百人を超えた。病気休職者に占める割合も四割になった。

　〇六年度のまとめによると、三十―四十代が全体の四分の三を占め、年代別では三十代が六十一人、四十代五十二人、五十代三十人、二十代は七人だった。

　県教育庁は、精神性疾患で休職する教職員が増えていることについて、「背景がさまざまで、（原因は）一概にはいえない」としている。　同庁は今年八月に小中高校、特別支援学校の全教職員を対象に、勤務時間外業務や業務の悩みを問う「勤務実態調査」を実施。十二月までに集計し、調査結果を踏まえて、今後の施策に生かしていく方針だ。

　沖教組と高教組は独自に実態調査を実施している。沖教組の大浜敏夫委員長は「会議、研修会、行政、上司に提出する書類作成などの業務が増え、家に持ち帰って仕事をするなど精神的にゆとりがない状況が年々ひどくなっている。県教育庁は調査結果を早急に分析し、対策を取ってほしい」と訴えた。

　高教組の兼島直人書記長は「評価システムの導入など教員が管理されるようになり、教師間のつながりが薄れている」と指摘した。

　県教育庁は県議会九月定例会代表質問で、山内末子氏（民主）、比嘉京子氏（社大・結）の質問を受け、教職員の休職状況を説明した。