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中国産食品:調味料など、国産に変身し識別困難(上)

 今月24日、ソウル市永登浦地区一帯の露店や軽食店に食材を供給する永登浦市場の食材卸売会社には透明なビニール袋に入ったトッポッキ(韓国のもち炒め)用のもちが山積みになっていた。原産地表示欄には「輸入99%」と書かれていた。

 店主は「供給業者がこんなふうに持ってくるが、原産地がどこかは知らない」と話した。もちを製造したという仁川市富平区の企業に電話をかけた。関係者は「中国産の米を輸入し、韓国国内の工場でもちをつき、卸売業者に出荷している。中国産だが国産と味に差はない」と説明した。

 このもちの卸売価格は1.8キロで2500ウォン(約230円)。国産米で作れば価格は1万ウォン(約920円)を超える。同関係者は「価格差が4倍にもなるのに、中国産を使わないはずはない」と語った。

◆調味料の「国籍」は

 中国製食品が既に韓国の食卓を占領している時代だ。食品に使われる調味料も中国産の比率は当然高い。昨年は合わせ調味料7426トン、麦芽シロップ1万600トンが輸入された。しかし、原産地を目で確認することが困難な調味料類はしばしば原産地を偽って販売されるため、届け出よりも流通量は多いとみられる。

 24日午前、仁川沿岸ふ頭近くの食品保税倉庫を訪れた。食品のユ・ヨンホさんはうず高く積まれた20キロ入りの箱750個の一つを開け、「一見して国産か中国産か、どうやったら見分けがつくのか」とつぶやいた。

 箱の中身はきれいな赤い粉がビニール袋に入って詰まっていた。とうがらし粉、ニンニク、米や麦を蒸したものなどを配合した合わせ調味料だ。ユさんは「食堂でチャンポン、メウンタン、ヘジャンククなどのぴりっとした辛さを出すのに使われる」と説明した。

 保税倉庫は関税庁に輸入申告を行った食品を短期間保管しておく場所で、仁川だけでなく全国1000カ所にある。ここに保管された食品は食品医薬品安全庁(食薬庁)の職員による検疫を経て、問題がないと判断されれば市中に出荷される。食薬庁職員がサンプルを採取し、検査で有害物質が含まれているかを調べる。

 しかし、肉眼で原産地を区別できない調味料類は「国産」に変身することが最も多い品目だ。手口は簡単だ。国産調味料に中国産を適当に混ぜさえすればよい。

 京仁地方食薬庁輸入管理課のキム・サンロク事務官は「従来型の市場では調味料や穀物を小分けにして販売するのが一般的で原産地の把握はさらに難しい」と話した。

 釜慶大食品生命工学科の崔鎮浩(チェ・ジンホ)教授は「調味料のように形がない食材は原産地を偽装すれば区別が本当に難しい。原産地表示の順守に向け市民団体と研究機関などのモニタリングを強化すべきだ」と指摘した。

特別取材チーム

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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