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佐久総合病院の女性死亡 地検支部が医師を不起訴処分

9月27日(土)

 地検佐久支部は26日、頭痛を訴えて佐久市の県厚生連佐久総合病院を受診した同市の主婦小林美幸さん=当時(55)=に適切な検査と治療をせず死亡させたとして、業務上過失致死容疑で書類送検された同病院の深沢正之医師(29)について、「予見は困難だった」として嫌疑不十分で不起訴とした。

 同支部や南佐久署によると、小林さんは2004年10月23日午後2時ごろに頭痛を訴え、20分後に同病院で受診。当時研修2年目だった深沢医師に「肩凝りによる頭痛」と診断され、いったん帰宅したが午後5時半ごろに再出血して意識不明となり、くも膜下出血で05年1月12日に死亡した。同署が今年5月、同容疑で書類送検した。

 長野地検の高森高徳次席検事は26日、小林さんが受診時に吐き気やハンマーで殴られたような痛みなど、くも膜下出血特有の症状を訴えず、「くも膜下出血を予見することは困難だったと認められる」との見解を示した。

 また、くも膜下出血の患者は再出血を避けるために発症から一定時間は手術せず、安静にする治療方針が一般的で、佐久総合病院も6時間の安静時間を取るようにしていたと説明。「正しく診断していたとしても、(約3時間後の)再出血は避けられず、手遅れだった」とした。

 同病院の夏川周介院長は「決定を真摯(しんし)に受け止める。医療に内在するリスクの低減に向け、今後も不断の努力を重ねていく。(小林さん側には)今後も誠意をもって対応させていただく」とコメント。医療ミスだとして告訴していた小林さんの夫の哲さん(60)は「今後の対応は、気持ちを整理してから考えたい」と話した。

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