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社会

マス倫懇全国大会始まる ネット社会など論議(09/26 01:15)

 新聞社や放送局、出版社などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第五十二回全国大会が二十五日、熊本市内で始まった。百五社・団体の編集責任者や記者たち約三百人が参加。分科会では、インターネットに端を発した毎日新聞社攻撃などが論議され、裁判員制度に向けた事件記事の見直しも報告された。

 毎日新聞社の英文サイトにわいせつな記事が掲載された問題をめぐり、ネットユーザーが同紙の広告主に電話をかけ、広告の継続をただす「電凸(電話突撃)」が相次いだ事例は「ネット社会とメディアの倫理」の分科会で取り上げられた。

 講師のウェブコンサルタント伊地知晋一さんは毎日新聞社のケースを踏まえ「ネットユーザーはマイノリティーではなく、その威力は侮れない」との見方を示した。

 ネット事情に詳しいジャーナリストの藤代裕之さんは「英文サイト問題への謝罪が十分とは受け止められなかった。ネット社会を特集した連載記事へのネットユーザーの評判が悪かったことも影響したのでは」と指摘。毎日新聞社はこの問題についての報告を、「時期尚早」として見送った。

 「変わる刑事司法と報道」の分科会では、朝日新聞社や読売新聞社から裁判員制度に向け、裁判員となる読者に過度な予断を与えないよう取材源を明示したり、捜査当局から得た情報が確定的事実と受け止められないよう表現を工夫したりしていることが報告された。NHKや共同通信社、各地元紙も同様の取り組みを予定していることを明らかにした。

 分科会に先立ち、熊本県出身で初めて死刑囚として再審無罪となった免田栄さん(82)が講演し「同じ拘置所にいた死刑囚の中には、わたしと同じ(無実の)人もいたが執行された。人の裁きは絶対ではない。死刑だけは廃止してほしい」と述べた。

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