日本サッカー協会の犬飼基昭会長(66)は25日、南アフリカW杯イヤーの2010年より、Jリーグの開幕を現行の春から秋へと移行する強い意思を明かした。国際的なスケジュールに合わせることなどが理由。しかし、Jリーグの鬼武健二チェアマン(69)は雪国の冬開催の問題などを主張して現行を維持したい考え。意見の対立が明らかになった。
激しい口調で、犬飼会長が改革意思を示した。
「Jリーグのシーズンを秋からにしたい。2010年秋からを目指す。こんなシーズンをやっていたら選手がつぶれる。代表は1年中休めない」
最大の理由は国際スケジュールに合わせるため。秋開幕(翌年初夏に閉幕)の欧州を中心に動く世界のサッカーは、1、2月にも国際Aマッチデーを組む。日本は来年1月にアジア杯予選2試合、2月にW杯最終予選があり、再来年以降はさらに増える可能性もある。Jリーグが3月開幕(12月閉幕)のままだと、日本代表選手は長期オフのない1年間を強いられる。その点、秋開幕なら欧州と同じく夏がオフになる。これはオシム前日本代表監督も指摘していたことだ。
対してJリーグ・鬼武チェアマンは秋開幕移行に否定的。犬飼会長が、意見が真っ向対立していることを明かしたのだ。
「Jは雪国の問題があるという。ならば1、2月はアウェーにし、ホーム戦は春以降に回せばいい。(プロ野球の)阪神も8月は甲子園を空ける。チェアマンは“2カ月もホームを留守にするのは地域密着にそぐわない”というが…。世界を相手にサッカーをやらなければいけないのに、まだ動かないのか」
犬飼会長は近年の猛暑も考え、選手にもファンにも真夏はオフにするのがベストとも主張。一方で雪中の練習場確保など問題も多く、鬼武チェアマンも引き下がれない。夏休み休暇中のチェアマンに代わり、Jリーグ・羽生事務局長は「寒い中、ファンが来てくれるか。ハードの問題も…。でも選手の体を考えれば…難しい問題」と困惑。
犬飼会長はあくまで一気に進展させる構えで、「将来構想委員会の議題にあげてもらう。年内に構想をまとめないと」。10年前から懸案事項だった日程問題は、どう決着するか。(須田雅弘)