初来沖中の台湾の李登輝元総統は24日午後、沖縄市の東南植物楽園内で仲井真弘多知事ら県内外の経済界、報道関係者らと懇談した。あいさつの中で李氏は「台湾も沖縄の人も心配しているが、尖閣列島は日本の領土。戦前は沖縄の漁民が漁場として魚を捕り、台湾に荷揚げし売っていた」と強調。日台間の領土問題は「農水省や台湾の農業委員会との話し合いで解決していた」と語った。その上で資源開発をめぐる最近の問題は「別の政治問題」との見解を示した。
総統時代の1990年代後半に、アクアポリスによる観光振興や農業分野など「沖縄に10億ドルの投資を試みたが、不成功に終わったのがいまだに残念だ」と語った。琉台関係については「産業や農業などの面でもっと密接な関係を持たないといけない」と述べた。
初来沖となったが「機会があればもう一度沖縄に来たい」と再来沖にも意欲を見せ、「沖縄の農村調査や経済調査をして、一緒にできることを県庁に提言したい」と語った。
沖縄の課題として「脱サトウキビ農業」や若者の高失業問題を指摘。親のすねをかじる大家族から産業振興で小家族化を進め、自立を促すべきだとの持論を披露した。
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