産経関西

[社会] 2008年9月26日

「がん治る」とニンジン茶 薬事法違反で元社長ら逮捕 大阪府警

 医薬品販売の許可がないのに「がんが治る」とうたい、韓国産高麗人参茶を販売したとして、大阪府警生活環境課と貝塚署は26日、薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで、同府泉佐野市湊の健康食品販売会社「ファミリーネットワーク」元社長、今関光一容疑者(37)のほか元従業員の嚴銀貞容疑者(36)と、元従業員の榎元満紀容疑者(48)を逮捕した。

 同社は平成16年春ごろから、訪問販売や健康セミナーで高麗人参茶を販売。府警は同社の背後関係や資金の流れなどについて捜査を進める。

 調べでは、今関容疑者らは19年3月~今年3月、医薬品販売の許可がないにもかかわらず、同府岸和田市で開催した健康セミナーなどで、府内のお年寄り3人に「高麗人参茶を飲めばがんが治り、再発もしない。絶対にがんは治る」などと医薬品としての効能をうたい、韓国産の「一和高麗人参濃縮茶」計約5キロを計約100万円で販売した疑い。

 被害者の代理人弁護士によると、同社は「高麗人参茶を飲めば体内の白血球が増え、放射線治療で弱った体を回復させる」などと勧誘。代金の支払いの際は、被害者を銀行まで連れて行き、同社の口座へ振り込ませていたという。

 被害者の1人は産経新聞の取材に対し「がんを患った家族が心配でだまされてしまった。実際に効果はなく病気もよくなっていない」と話している。
 

この記事と同じカテゴリの最新記事