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パワハラ損賠訴訟:医師の言動「違法」--地裁支部判決 /長崎

 佐世保市の市立総合病院に勤務していた精神保健福祉士の30代の女性が、当時の精神科長の男性医師(50)=06年に退職=から職場の上下関係を利用した嫌がらせなどを受け「精神的苦痛を被った」として、同市などを相手取り、計660万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、長崎地裁佐世保支部であった。西村欣也裁判長は「男性の言動は原告の人格を不当に害した違法行為」と認め、同市に90万円の支払いを命じた。

 判決などによると、女性は02年4月から男性と同じ職場に勤務。男性は04年4月以降、女性には業務態度などに問題があるとして「今のあんたは腐っている」などと侮辱的な言葉を繰り返したほか、パソコンの立ち上げを禁じるなど女性の業務を制限したり、退職を促すような言葉を浴びせて精神的苦痛を与えた。女性は04年7月から仕事を休み、05年6月に退職した。

 女性は06年1月に提訴。男性に対しても損害賠償を求めていた。しかし判決では、男性の違法行為は認めたものの、公務員が職務上で行った違法行為については国や自治体が賠償責任を負うと定めた国家賠償法を適用し、男性への請求は棄却した。

〔長崎版〕

毎日新聞 2008年9月26日 地方版

 
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