佐久市議会は最終日の25日、遅滞している佐久総合病院(同市臼田)の分割移転再構築問題に関する議員提案が相次いだ。「高度医療センターをツガミ跡地を含めた旧佐久市内に早期建設を求める決議」案(提案議員3人)を賛成少数で否決し、「分離移転再構築先を佐久市内として、問題の早期解決を求める決議」(同27人)案を賛成多数で可決した。
病院側は移転先として05年8月、工業専用地域の同市北中込のツガミ信州工場の用地を取得したが、市側は「法律を無視して病院が建設できない土地を購入した」と反発。市が提示した移転候補地3カ所も、病院側が「既に検討した土地」と提案を断っており、移転問題は進んでいない。
市議会は05、07年に、移転再構築を現在の臼田地区に求める陳情を採択したが、可決した案では「双方がそれぞれの考えに固執した状態では、混迷の度を深めるばかり」と指摘し、再構築先選択の幅を佐久市内に広げることで、市と病院側が大局的見地からの問題解決するよう求めた。【藤澤正和】
毎日新聞 2008年9月26日 地方版