武雄市の樋渡啓祐市長は25日、武雄市民病院の民間移譲の白紙撤回を求める市議らで作る市民団体「武雄市民病院問題対策室」が発行するチラシ「対策室ニュース」に誤解を与えるような表現があるとして、同団体に抗議文を出した。だが市長印がなく、対策室は「一応受け取るが、公式(文書)とは認めない」と反発。民間移譲を巡る対立は泥仕合の様相だ。
市側は当初、抗議文を持ち帰る予定だった。しかし対策室側が「読み上げだけでは正確に対応できない」と文書を渡すよう求めた。
これを受けて市側は改めて文書を作成し、対策室側に渡した。
しかし日付も提出者名もなかったため、対策室側はさらに反発を強めた。市側は結局、読み上げた文書そのものを渡したが、これにも市長印がなかった。
対策室側は「正式な文書で出すべきだ」などと市の態度を批判している。
市は抗議文で、対策ニュースは事実を確認せず一方的な見解や判断に基づく意見表明がされ、市民に不安と動揺を与え、市の信用を失墜させている--などとしている。
樋渡市長は、対策室が28日に開く公開対話集会には、別の用事が入っていることから、参加を見送る。市長は「市や地元医師会、(移譲相手の)池友会などが参加する公開討論会を共催で開催することに意義がある」としている。【原田哲郎】
毎日新聞 2008年9月26日 地方版