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[世界]
Windows XP SP3のレジストリ破損問題、マイクロソフト作成のexeファイルが原因
やり玉に挙げられたシマンテックが“身の潔白”を証明
(2008年05月26日)
米国Symantecは5月22日、Windows XP Service Pack 3(SP3)をインストールしたPCの一部で発生しているレジストリ破損問題について、その原因はMicrosoftが作成したexeファイルにあると指摘した。
レジストリ破損問題とは、XP SP3をインストールした一部のPCにおいて、デバイス・マネージャに何も表示されなくなったり、ネットワーク接続が削除されたり、レジストリに膨大な不正エントリが作成されたりといった現象を指している。
Symantecのコンシューマー向けソフトウェア製品管理担当シニア・ディレクター、デーブ・コール(Dave Cole)氏は22日、「これらの問題はすべて、レジストリに大量の不要エントリを作成したMicrosoftのexeファイルに関連している」として、問題の原因がMicrosoftにあることを示した。
SymantecのDave Cole氏が挙げたMicrosoftのサポート文書の1つ「KB893249」 |
このレジストリ問題は、Windows UpdateによるXP SP3の配布が開始されてからしばらくして、ユーザーのほうから報告され始めた。例えば、「ネットワーク・カードと以前に作成した接続が、Windowsから削除された」「デバイス・マネージャに何も表示されなくなった」「Windowsのレジストリに多数の不正エントリが作成された」などがそうである。
この問題をMicrosoftのXP SP3サポート・フォーラムに投稿したユーザーのほとんどは、不正なレジストリ・キー(「$%&」などの文字から始まり、一見して破損しているとわかる)がSymantec製品の設定に関するセクションに含まれると指摘。そのため、当然ながら彼らはSymantecをやり玉に挙げていた。
これを知ったSymantecは調査を開始し、発生している問題と、Microsoftの「fixccs.exe」というファイルの関連を突き止めたという。Web上の情報によると、fixccs.exeは、「Fix CCS MaxSubkeyName mismatch」(CCS MaxSubkeyNameミスマッチを修正)という語句からファイル名が付けられたもので、XP SP3とSP2の両方のパッケージに含まれている。
SymantecのCole氏は、fixccs.exeがどのような機能を果たすかは不明としながらも、「このファイルは、XP SP2のインストール時もデバイス・マネージャに同様の問題を引き起こした。今回も問題を発生させているようだ」と語った。
Cole氏によると、数年前のWindows XP SP2のリリース時にも、Microsoftが同じ問題症状の一部を認めたという。同氏はこの発言の根拠として、Microsoftの2件のサポート文書を挙げている。
同氏が示したサポート文書とは「KB893249」と「KB914450」の2つで、そこにはXP SP3によるレジストリ問題とそっくりの記述がなされている。「Windows XP SP2をWindows XPベースのコンピュータにインストールすると、デバイス・マネージャのウィンドウが空になったり、一部のデバイスが表示されなくなったりすることがある」(KB893249より)
Cole氏によると、fixccs.exeファイルは多数の不要なレジストリ・キーを追加してしまう場合があるという。同氏は、Symantec製品のセクションに不正エントリが作成されたと報告したユーザーが多かったことについて、「これは偶然だ。われわれの製品のレジストリにはかなりの数のキーがあり、われわれの製品は多くのシステムにインストールされている。この問題が発生するのは当社製品のセクションだけにかぎらない」と説明する。
実際、一連の問題に関するメッセージをMicrosoftのサポート・フォーラムに最初に投稿した「MRFREEZE61」と名乗るユーザーも、23日にComputerworld米国版へコメントを投稿し、次のように述べている。
「報告されている問題を経験しているのは、Symantec製品を使っているユーザーだけではない。Symantec製品がインストールされていないシステムについても、このレジストリ破損の問題がXP SP3サポート・フォーラムで指摘されている。この破損は、UPNP(Universal Plug and Play)やそのほかのレガシー・デバイスに関連するデバイス制御セット・エニュメレータでも発見されたほか、ウイルス対策ソフトウェアavastのユーザーからも報告されている」
なお、不正レジストリ・エントリを削除するスタンドアロン・ツールをSymantecが開発中だとCole氏は話している。「このツールを早急に用意したいと考えている。われわれはMicrosoftと通常のルートで協力している」(Cole氏)
(Gregg Keizer/Computerworldオンライン米国版)
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