福岡市西区の小戸公園で母親が6歳の長男を絞殺したとして逮捕された。母親は殺意の発端を長男から「『(母親が)学校に来ない』と責められたから」などと供述しているという。
子供のころ、母親にかまってほしくてつい乱暴な口をきいた経験がある。長男の言葉の裏にもそんな寂しさはなかったか。一方で逮捕された母親は難病のために学校行事に参加したくともできなかったそうだ。殺人という行為は決して許されないが、長男の言動で受けた衝撃は大きかったはずだ。双方の心情を思うとやるせなくなった。
母親の供述はまだ不自然な点もあり、計画性など真相究明はこれからだ。母親は既に第三者の犯行を偽装し、社会に不安を与えた。今度こそ、偽りのない事実を語ってほしい。
〔北九州版〕
毎日新聞 2008年9月26日 地方版