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麻生首相:国連で演説 「価値観外交」再始動

 麻生太郎首相はニューヨークの第63回国連総会で25日夕(日本時間26日未明)、一般討論演説を行う。「基本的価値を同じくする諸国と連帯する」と述べ、日米同盟堅持とアジア重視、国連中心主義を外交の柱としながら、安倍政権下で外相として推進した「価値観外交」を再始動させる考えを明らかにする。

 ただ、外相時代に価値観外交の具体化として提唱した「自由と繁栄の弧」構想には言及しない。また、「中国と韓国は日本にとって重要なパートナー」と強調し、価値観外交が対中包囲網と警戒されたことに配慮を示す。

 インド洋での給油継続については「今後ともテロとの戦いに積極参画する」と述べるにとどまる。北朝鮮拉致問題では「北朝鮮の行動に応じ、日朝関係を前進させる用意がある」と述べ、8月の日朝実務者協議で合意した拉致問題再調査を北朝鮮が始めるよう促す。

 国連安保理改革で「常任・非常任理事国双方の議席拡大を通じた改革を早期に実現しなければならない」と訴える。【西田進一郎】

 ◇麻生首相の国連演説(要旨)

 麻生太郎首相がニューヨークの国連総会で25日夕(日本時間26日未明)行う一般討論演説の要旨は次の通り。

 【アフリカ】今年5月のアフリカ開発会議で経済成長を加速させる支援を呼びかけた。

 【地球温暖化】7月の北海道洞爺湖サミットで、気候変動で世界全体の長期目標採択を目指す実効的な枠組みを国連の下で作ることになった。

 【世界経済】日本経済を伸ばすことこそ日本のなしうる貢献だ。

 【中東和平・核】日本ならばこそできる外交がある。ヨルダン川西岸地区にかんがい技術を提供し、信頼の仲介者となる。核兵器の全面的廃絶に向けた決議案を提出する。

 【テロとの戦い】日本はアフガニスタン復興支援に力を注ぎ、インド洋で補給活動を続けてきた。今後も国際社会と一体でテロとの戦いに積極参画する。

 【北朝鮮】拉致被害者の調査を約束しながら着手していない。北朝鮮の行動に応じ日朝関係を前進させる用意がある。6カ国協議の枠組みを通じ北朝鮮に核兵器の廃棄を迫る。

 【外交方針】中国と韓国は日本にとって重要なパートナー。両国や東南アジア諸国連合(ASEAN)と協力を進める。日米同盟を不変の基軸としながら近隣アジア諸国との関係強化に努める。

 国連を重んじる。基本的価値を同じくする諸国と連帯する。

 【国連安保理改革】常任・非常任理事国双方の議席拡大を通じた改革を早期に実現しなければならない。来月に非常任理事国に立候補するので支持をお願いしたい。

毎日新聞 2008年9月26日 5時00分(最終更新 9月26日 5時00分)

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