気候変動との取り組みを、議長始め皆様は、我が国千年の古都、京都の名と結びつけてご記憶でありましょう。もとより日本は、本問題につき、いささかの自負なしとしません。GDP1単位を生み出すのに必要なエネルギーの少なさにかけて、世界のトップを行くのは日本であります。背後には、それを可能にした技術の独創がある。大いに、世界に使ってほしいものです。セクター別アプローチという発想も、これをもって日本が諸国への貢献を目指すものであります。
議長、これが、つい2カ月と少し前、我が国主催のもと、G8が到達した地点であったのです。
今や、世界経済は変調にあります。私は、5月の誓いと、7月の夢が、疾風下、いささかも動じないことを願い、かつ信じます。元気なアフリカを、一層元気にすること。地球環境の悪化を、すべての国の努力によってくいとめること。いずれとも、世界経済の安定を大切な前提とするものです。
であるならば、私の見るところ、日本自身の課題はもはや明白であります。すなわち日本は、自らの経済を伸ばしていくことに、その一義的な責務をもつのです。世界第2位という日本の経済規模に照らすなら、これこそは、日本がなし得る即効力のある貢献だと言わねばなりません。わたくしは、これに断固として取り組んでまいります。議長始め皆様に申し上げ、約束するものです。
議長、話題を転じ、夏の終わりの、ある出来事をご紹介したいと存じます。
ところは、東京郊外の小さな街。去る8月末、ここに海外から9人の高校生がやって来ました。日本に来るのは初めてです。慣れない料理に顔をしかめるなどは、どこにでもいそうな高校生のビジターと、変わるところがありません。