「絶対にがんが治る」などと効能をうたって高麗人参(にんじん)茶を販売したとして、大阪府警は26日、健康食品販売会社「ファミリーネットワーク」社長、今関光一容疑者(37)=大阪府泉佐野市湊2丁目=ら3人を薬事法違反(医薬品の無許可販売)の疑いで逮捕したと発表した。いずれも容疑を否認しているという。
被害者側の弁護士は「同社は特定の宗教団体と関連がある」と主張しており、府警は関連について調べる。
ほかに逮捕されたのはいずれも元従業員で、今関容疑者の妻の厳銀貞(オム・ウォン・ジュン)(36)と榎元満紀(48)=同府和泉市幸2丁目=の両容疑者。
生活環境課によると、今関容疑者らは医薬品販売業などの許可を受けていないのに07年3月〜今年3月、大阪府岸和田市の女性(67)ら3人に「飲めばがんが治る」などとうたって、高麗人参茶が50〜300グラム入った瓶計15個を、計約106万円で販売した疑いが持たれている。
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被害者の60代女性によると、ファミリーネットワーク社は「これを言うと薬事法に引っかかるけど、絶対にがんは治る」とうたって購入を勧めていたという。
女性は07年3月、がんを患っていた長女のため、同社が開いた健康フェアで店員に相談。1年分の高麗人参茶を約300万円で買った。その後、「体温を上げて免疫を高める」という約90万円のサウナや、「風水を良くする」という約270万円の置物を購入したという。
女性は同年11月、厳容疑者に勧められ、自己啓発セミナーに参加。約10回受講したが、セミナー側が特定の宗教団体と関連があると認めたため弁護士に相談した。
長女は数カ月高麗人参茶を飲み続けたが、今も闘病中。女性は「自分の不安につけ込まれたのかと思うと、悔しい」と話した。