土地の売買契約時には無害とされていた土中のフッ素が12年後に有害として法規制されたため、買い主が売り主に汚染除去費を請求した訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。渡辺等裁判長は「後から有害物質として法規制された場合も売り主は除去費を負担すべきだ」と判断、買い主側敗訴の1審・東京地裁判決を変更し、売り主側に約4億4800万円の支払いを命じた。
訴えていたのは足立区土地開発公社(東京)。賠償を命じられたのは旭硝子子会社の「AGCセイミケミカル」(神奈川県茅ケ崎市)。
同公社は1991年、AGC社から足立区内の土地約3600平方メートルを約23億円で購入。2003年施行の土壌汚染対策法が高濃度のフッ素を有害物質として新たに規制したため、公社が05年に調査したところ、土壌に基準を超えるフッ素が含まれていたことが判明。公社はAGC社に汚染土壌の除去費用を請求した。(00:12)