福島県喜多方市の高校生が今夏、たばこを買うための成人識別カード「タスポ」ではなく「顔認証」で買える自動販売機でたばこを購入し、喜多方署に補導されていたことが分かった。同署によると、たばこを所持していた高校生に事情を聴いたところ、顔をしかめたら自販機で認証を受けられた、と話したという。
この自販機は、たばこを買おうとする人の顔の骨格やしわをカメラが読み取り、自販機内にある数十万人分のデータベースと照合、成人であることを確認するシステム。未成年の可能性がある場合は、運転免許証を自販機に挿入する必要がある。メーカーによると、全国で約6千台流通しているという。
昨年11月に使われるようになって以降、写真で認証を受けてたばこを買えたり、未成年者が成人と識別されたりする事例が確認されている。このためメーカーはその後、既存の自販機も含めてシステムを改良、今年7月には財務省の確認を受けたという。
問題の自販機が改良後かどうかは不明だが、財務省の担当者は「確認したシステムに不具合があれば、メーカーに改善を求める」としている。
福島県たばこ販売協同組合連合会の一重靖夫会長は「丸刈りの50代の男性が認証されなかったという話も聞いている。タスポがなくてもたばこを買える自販機があると、高校生が情報交換をしているとも聞いている」と述べ、問題があるとの考えを示した。