2008年9月26日 11時0分更新
今年3月、JR岡山駅で男性を線路に突き落として死亡させたとして逮捕された18歳の少年について大阪家庭裁判所は、「遺族らの被害感情や社会的影響などを考えると刑事処分以外の措置を認めることはできない」として少年を検察庁に送り返す決定をしました。
この事件は今年3月、JR岡山駅で岡山県職員の假谷国明さん(当時38歳)が線路に突き落とされて死亡したもので、大阪・大東市に住む18歳の少年が逮捕されました。
25日大阪家庭裁判所で少年の処分を決める審判が非公開で開かれ、小島正夫裁判官は「父親から突き放すような言葉を言われたと感じ逃避のために『確実に刑務所に入る方法』として殺人にこだわり続けた少年の特性が今回の犯行に強く作用した」と指摘しました。
そのうえで「遺族らの被害感情や社会的な影響などを考えると、少年の特性や反省を深めつつあることなどを考慮しても、刑事処分以外の措置を認めることはできない」と述べ、少年を検察庁に送り返すことを決めました。
この決定を受けて検察庁は少年を起訴するものと見られ、今後、少年は、大人と同じ刑事裁判を受けることになります。
決定について少年の付添人の木村雅史弁護士は「少年は精神鑑定の結果、何かに強いこだわりを持つ広汎性発達障害と診断されてお
り更生のためには少年院での適切な対応が必要だと主張してきたが、その主張が認められず残念だ」と話しました。
また少年については「事件を反省し、遺族への謝罪について毎日、真剣に考えている」と話しました。
今回の決定について亡くなった假谷さんとともに岡山県庁の道路建設課で働いていた同僚の1人は
「審判でどのような決定がなされようと故人が帰ってくるわけではないので、悲しみや辛さが癒えるわけではありません。」
「しかし、再びこのような事件を起こさないためにも裁判でしっかりと事実を解明してもらいたいです。」と話していました。