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昨日の続きです。

昨日は一般精神科医について書いたので,今日はこどもを専門的な視点で診ることのできる医師の場合(長ったらしいので,以下「児童精神科医」と呼びます)について書いてみたいと思います。

一般精神科医は生後数ヶ月の発達障害疑いの子供さんを前にしたとき「発達障害があるかどうか」を判断する自信がもてないから,診断をつけずに済ませてしまっていることが多いと思うのですが,児童精神科医の場合の考えかたはもっと複雑なのではないでしょうか。

初診の時点でたしかにそのこどもさんには発達障害を思わせるような徴候がみられたり生育歴上の特徴がみられたりしていると感じたとして,じゃあその時点で診断を確定してしまっていいのか,本当に診断はつくのか,ということをまず考えることになるだろうと思います。
つまり,より厳密に診断しようとしている,と言えばいいのでしょうか…専門機関で働く専門家だからこそ診断のつけかたがシビアになってくる,というのは比較的イメージしていただきやすいかもしれませんね。
だからこそ,「たしかにすでにいくつか疑わしい点はみられている,でも,だからといって今の時点で間違いなく診断がつくのかと言われるとこれまた難しいところだし。こんなに早い月齢で受診していただいても,まだ診断確定できないよ」という思いを抱きながら対応されるのではないでしょうか。
「いい加減な診断はできないぞ」というプライドもあるでしょうし,診断を伝える時期についても「確定診断ができてから初めてきちんとした形で伝えるけれど,それまでは何もお伝えしないでおく」という信念をお持ちの先生もいらっしゃるかもしれません。

さらに,発達障害をもっていたとしてもこどもたちは当然成長していくので,今は一見発達障害のように見えていても,その後だんだん発達障害らしい特性が薄れていく可能性もあるし…と,こどもたちの発達や成長を信じてその時点では診断を保留のままにしておくということもあり得ると思います。
そして,医師の心のなかでは初診時点で診断がほぼついていたとしても,親御さんや学校に最もうまく活用してもらえる形で診断を伝えたいから,と思って告知のタイミングを待つという先生もいらっしゃるはず。

児童精神科医の場合は一般精神科医とは少し違って,より正確な診断をしたい,せっかくの診断を最もよい形で活かしてほしい,そんな思いが告知のタイミングを遅らせているのではないかと想像しています。

…昨日と今日でこの話題を完結しようと思っていたのですが,まだいちばん書きたい部分にたどり着けていません。

焦らして申し訳ないのですが,続きはまた明日…。

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なかのひと

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