名取三越、閉鎖へ 来春にも収益伸びずリストラ

 三越伊勢丹ホールディングス(HD)は24日、宮城県名取市に昨年2月開業した大型ショッピングセンター「イオンモール名取エアリ」に入居する名取三越を来年春にも閉鎖する方針を固めた。不採算店として鹿児島三越(鹿児島市)、武蔵村山三越(東京都武蔵村山市)など全国の三越数店を閉鎖対象としており、月内にも取締役会でリストラ策を決議し、発表する。

 三越伊勢丹HDが4月の経営統合後、本格的なリストラ策を発表するのは初めて。名取三越はオープン以来わずか2年で幕を閉じることになる。

 名取三越は、同店とジャスコを2つの核店舗として専門店街が並ぶ「二核一モール」の構成としたエアリ内に入居。年間売上高60億円を目標に掲げ、ファミリー層の来客を見込んだ。しかし売り上げが低迷し、収益が伸びなかった。

 名取三越と武蔵村山三越の2店はともに郊外型店舗。百貨店業界の不振が続く中、三越は両店を「百貨店事業に続く次世代型事業として、成長戦略になる」(同社資料)と位置づけていた。

 名取市に隣接する仙台市では今年、中心部に仙台パルコが東北初進出したほか、郊外にアウトレットモールも出店。店舗の閉鎖は、競争激化で今後も大幅な収益改善は難しいとの判断もあったとみられる。一方、仙台市中心部にある三越仙台店は、隣接するファッションビル141の商業部分を一括で賃借し、東北の百貨店で最大の売り場面積とする予定。今後、三越は仙台店に力を注ぐことになりそうだ。

 三越伊勢丹は2013年度に業界最高水準となる連結営業利益750億円を目標に掲げ、そのためには不採算店の再編が必要と判断した。
2008年09月25日木曜日

宮城

社会



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