2008年9月25日 12時26分更新
沖縄県を訪れている台湾の李登輝元総統は、(り・とうき)ことし6月に尖閣諸島沖の日本の領海で台湾の漁船が沈没し、日本との関係がぎくしゃくしたことに関連して、「尖閣諸島は日本の領土だ」と述べ、今の馬英九政権が(ば・えいきゅう)政治的に問題化させていると批判しました。
22日から沖縄県を訪れている李登輝元総統は、24日、沖縄市の植物園を訪れ、仲井真知事らと昼食をともにしました。
この席であいさつに立った李元総統は、尖閣諸島について、「私に言わせれば、尖閣諸島は日本の領土だ」と述べ、戦時中、台湾の漁民は沖縄県の管理のもとで、尖閣諸島沖の漁をしていたとその理由を説明しました。
さらに、李元総統は、「最近起きた問題は、今の政権が政治的にやっているだけだ」と述べて批判し、尖閣諸島の主権を主張する馬英九政権との考えの違いを明らかにしました。
尖閣諸島をめぐっては、台湾の馬英九総統が先週行われた記者会見で、「尖閣諸島は台湾の領土だ」と改めて発言していますが、馬総統が「尊敬している」とされる李元総統の発言だけに、今後、波紋が広がりそうです。
一方で、これに先立って行われた記者会見で、李元総統は、新しく選出された麻生総理大臣について、「麻生氏を長い間見ていると、もっと強いリーダーシップをとれるのではないかと感じており、台湾との間の絆をもっと強く結んでもらいたい」台湾との関係強化に期待を示しました。