灰色の巨艦が、朝日がきらめく海面を切って進んできた。神奈川県の横須賀港に配備される米原子力空母ジョージ・ワシントンは25日、海上自衛隊のイージス艦に先導され、新しい母港に近づいた。
午前6時半すぎ、千葉県館山沖。星条旗はためく巨大艦が見えた。東京タワーを横にしたのと同じ全長330メートル。露払い役のイージス艦「こんごう」の2倍以上ある。甲板には30以上の艦載機が整然と並んでいる。
2基の原子炉が動力源である巨艦は、約5600人の乗組員を擁する「洋上の町」だが、甲板を歩く白い制服姿の乗組員らの姿は小さくしか見えなかった。