千葉県東金市で、同市田間の看護師、成田多恵子さん(37)の次女幸満(ゆきまろ)ちゃん(5)が遺体で見つかった事件で、幸満ちゃんとみられる女児が21日正午すぎ、衣類などが見つかった駐車場そばの路地を1人で走っているのを近所の女子中学生(14)に目撃されていたことが分かった。遺体は午後0時25分ごろ、約100メートル南側の路上で見つかったが、それまでの生存情報がないことから県警東金署捜査本部は幸満ちゃんが路地付近で屋内や車に連れ込まれ、直後に殺害された可能性があるとみている。
女子中学生によると、女児は多恵子さんが勤務する東金中央クリニックと隣接する鴇嶺(ときがね)小学校北西の「公民館前通り」を南西方向に進み、コンビニの手前で左折して路地を駐車場方向に走った後、姿が見えなくなったという。女子中学生は携帯メールを使いながら公民館前通りの反対側を女児と同じ方向に歩いていた。時間は正午から同10分ごろだったという。女子中学生は女児について「友人の妹だから知っている子だとわかった」と話している。
これまでの調べで、幸満ちゃんの左腕に強くつかまれた際にできるあざと血痕が残っていた。あざは死亡直前にできたとみられ、左腕を持って強い力で引っ張られた可能性があるという。また、足の裏は泥などで汚れていなかった。こうした遺体の状況などから捜査本部は、幸満ちゃんが路地から遺体発見現場までの狭い範囲の屋内などで殺害された可能性があるとみて聞き込み捜査をしている。【山本太一、寺田剛】
毎日新聞 2008年9月25日 東京朝刊