引退を表明したプロ野球の王監督と、麻生新首相は1940(昭和15)年生まれの同じ68歳である 球界と政界は同一視できないだろうが、同じ時代を生きた2人の人生を考えると興味深いものがある。王さんは半世紀を戦い続けて肩の荷を下ろす。一方の麻生さんは、これから人生最大の荷を担ぐのである 世代論では団塊の世代は既に後退し、団塊ジュニアの時代が近いとも言う。が、よく見れば昭和15年から17年生まれの世代が主導している現実がある。政界もうひとりの主役である小沢民主党代表は昭和17年生まれの66歳、小泉元首相も同い年である 中国の胡主席、北朝鮮の金総書記も同じ年齢だ。戦争を挟んで育ったアジアの節目世代といえようか。この人たちが頂点に立った時の年齢と在任の長さが問題なのである。日本では短命内閣が続きすぎた。国民が新内閣で気にするのもその寿命だろう 68歳で若さが自慢の麻生さん。66歳で老成した感のある小沢さん。外見でも政治歴の長短でもなく、中身で判断したい。年齢による人間の熟成を見るのも、政局「日本シリーズ」の楽しみの一つである。
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