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身障者の職員採用試験年度内にもう一度実施へ/横須賀市が受験資格に「誤解を招く表現」
- 政治・行政
- 2008/09/24
横須賀市が、身体障害者を対象にした一般事務職員の採用試験で受験資格に「口頭での会話が可能な人」などと明記し、福祉団体らから「障害者雇用を狭める」と反発を受けていたことが二十二日、分かった。市は指摘に対し、「不適切な表現で申し訳ない」と謝罪。すでに募集を締め切ったが、受験資格を従来の表現に戻すなどし、本年度中にもう一度、募集を行う方針を決めた。
市は、身体障害者の一般事務職員を来年四月に一人採用する予定で、今月十六日から十八日まで受験者を募った。
福祉団体などが問題視したのは受験資格のうち、(1)活字印刷による出題に対応できる人(点字、拡大印刷、ワープロ使用などの対応は不可)(2)口頭による会話が可能な人―という二つの項目。「点字や手話が認められなければ、視覚や聴覚に障害のある人が受験できない」などと指摘した。
これに対し、市人事課は「受験資格を変更したわけではない」と説明。(1)に関しては、昨年の同試験も活字印刷での出題だったが、受験資格に点字や拡大印刷などの対応をしないとの表現を新たに盛り込んだことで、「分かりやすく表現したつもりが、逆に誤解を招いてしまった」と釈明する。
(2)については「一般行政事務は健常者と同じ職場で同様の業務を担う。もう一つの受験資格である『自力により職務遂行が可能な人』とは『口頭での会話が可能な人』を意味するとの認識のもとに表記したが、配慮が足りなかった」と話す。
また、受験者には試験会場で注意事項などの説明の際、手話通訳が必要かどうか尋ねていたが、ここ数年希望者がいなかったことから、手話通訳についての質問も設けなかった。
市は「もし、今回の受験資格を見ただけで受験できないと思った人がいたとしたら大変申し訳ない」と謝罪。二十八日に予定通り試験を行った上で、年度内にもう一度募集を行うという。
「今後は、より受験しやすい試験のあり方を検討したい」と市。一方、横須賀三浦作業所連絡会の海原泰江会長は「やり直しは当然。知的や精神障害者に対しても門戸を開くなど、さらに進んだ取り組みが必要だ」と話している。
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