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倉持明&明日香

父から娘へプロ魂キャッチ!(9/23)

 くらもち・あきら 1952年7月20日生まれ、56歳。神奈川県出身。72年、日本鋼管からドラフト4位でロッテに入団。鋭く落ちるパームボールを武器に80年にはリーグ最多の18セーブをマーク。抑え投手のパイオニアで「9回裏無死満塁ノースリーから抑えたこと5回」の伝説も。通算成績は17勝(21敗)40セーブ。現在は千葉テレビ放送「CTCマリーンズナイター」の解説者。
 くらもち・あすか 1989年9月11日生まれ、19歳。神奈川県出身。女性アイドルグループ「AKB48」のチームKメンバー。愛称は「もっちぃ」。2007年、研究生オーディションに合格し、08年3月、正式メンバーに昇格した。AKB48は東京都による「TOKYO体操」のイメージリーダーに選ばれ、この活動を通じて2016年の東京五輪招致を応援している。10月22日には新曲「大声ダイヤモンド」をリリースする。
倉持明日香

【元ロッテ投手「炎のストッパー」】

 古いプロ野球ファンなら、おわかりだろう。アートネイチャーのCMに出ていた元ロッテ投手の倉持明さんだ。いまから四半世紀ほど前、当時としては珍しい抑え専業として活躍し、気迫の投球から「炎のストッパー」と呼ばれた。

 現在は保険代理店を営むかたわら、千葉テレビ専属の野球解説者として千葉ロッテファンにはすっかりおなじみ。卓越した投球技術論、相手チームを含めた選手の綿密な分析、ナイスプレーを絶賛する一方、怠慢プレーには容赦ない辛口のコメント−−「倉持節」は聞く者を圧倒する。低レベルな解説にウンザリしているファンは倉持節に驚き、喜ぶだろう。「こんな解説者がいたのか」と。

【野球とアイドル…分野違えどアツさは同じ】

 「AKB48」で活躍する娘の明日香は、父の解説が日々欠かさぬ勉強に支えられていることをよく知っている。

 「毎朝、家でスポーツ紙をスクラップしています。スクラップブックは各球団ごとと、あとメジャーリーグも。テレビで解説する日は、大きなバッグにスクラップブックを何冊も詰め込んで出かけていますよ」

 父は解説中でもロッテの選手が逆転打を打つと勢いで「よし!」と叫んだりする。でも娘によれば、家ではもっとすごいらしい。

 「誰かがホームランを打ったら『うぉーっ!』と絶叫です。猫は驚いて逃げちゃう。で、私や母に解説し始めるんです。『耳の後ろに構えたグリップがいい』『ワキを締めた鋭いスイングだ』とか(笑)。夕食の最中ですよ。どんどん熱く上機嫌になって、もう止められません。とにかく野球が大好きなんですね」

 でも、娘は知っている。父は野球以上に家族のことが大好きで、大切に考えていることを。

倉持明&明日香

 倉持家では毎月1回、家族が全員集結してバーべキューなどを楽しむ。肉の調達やら料理やら、率先して動くのは父。長男一家、次男一家、それに父と母と娘、孫は計5人。

 女手ひとつで育てられた父が、自分の子供たちはせめて明るくワイワイやってほしいと考えて企画した。娘にとって家族そろってのバーべキューは昔から当たり前のことだったが、「最近になって、家族が集まるのはいいな、父がいろいろ考えてくれたんだな、と思うようになりました」という。

【自ら好きな道へ】

 ひとつのことを大好きになる−。簡単なようで難しい。だが、娘は父の生き方からそれを学び、自ら好きな道へと飛び込んだ。

 「以前からダンスが好きだったので、(AKB48で)表現できる場所が見つかって、とてもうれしいです。公演も好きだし、歌も好き。研究生のときに出場した昨年の紅白歌合戦は本当に楽しかった。もっと好きになれば、もっと頑張れると思う。これからいろいろなことに挑戦してみたい。その中で一番好きになれるものは何か探していきたいです」

 野球とアイドル。まったく異なる分野でも同じプロには違いない。娘は仕事を始めてから父と頻繁に会話を交わし、父も積極的に話しかけるようになった。

 父はプロ意識について一切の妥協を許さない。

 今年3月、正式メンバーへ昇格した際の記念すべき公演で、体調は最悪。母をはじめ、ほとんどの人が「頑張ったね」と気遣ってくれたのに、父からは「頭や腹が痛いだのヘチマだの言っている場合か。プロ意識が足りない」と一喝された。

 現役時代は酒のグラスもパチンコも右の利き手は一切使わず、いまでも風邪予防のショウガ入り紅茶を毎日飲むなど体調管理を徹底している父の言葉だけに、何も反論できなかった。

 父から娘へ、“炎のプロ魂”は受け継がれようとしている。